疾患別解説

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28歳女性のST低下

28歳 女性
2009年1月27日

現在、高LDL血症の診断で、リピトールを服用しています。毎日ではありませんが、食事中や食後に胸部圧迫感や心窩部痛があります。
また、安静時、運動時に関係なく、我慢できないほどではないですが、キューと心窩部やや左胸あたりが5分以内くらいですが痛みます。
検査の結果は、冠動脈CT、超音波検査では異常がありませんでした。安静及び負荷心電図検査で、II、III、aVF、V4-6の水平型の明らかなST低下が認められました。
この症状は、心臓疾患からきているのでしょうか。
メンタル的なものなのでしょうか。
また、心電図異常の原因はなんでしょうか。

回答

安静及び負荷心電図(ECG)で、水平型のST低下を認める場合の病的意義についてのご質問です。
これが50代以降の男性の場合であれば、労作性狭心症の可能性大と解釈されます。しかし、閉経前28歳の女性で、かつては高LDL血症があったが、今はリピトールでコントロールされており、しかも冠動脈CTで「正常」と判定されているのですから、動脈硬化性の冠動脈狭窄に基づく狭心症の心配はほとんどないと言ってよいでしょう。
それにもかかわらず、食事中や食後などに胸部圧迫感や胸部不快感を感じるとのことですが、おそらくメンタルな要素に基づく症状と考えて間違いないでしょう。もし、念を入れるとすれば、上記の症状が出現した時点でのECGを「発作記録用携帯型心電計」などを用いて記録し、非発作時の波形と変わらないこと、同症状がニトログリセリン舌下でも消失しないことが確かめられれば最も良いと思います。
なお、このような異常を生じる機序はまだ不明のままですが、臨床的には、中高年の女性に多くみられることが分かっております。交感神経刺激による、非虚血性の水平型ST低下が生じることが知られており、これと関連があるのではないかと考えられております。

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