疾患別解説

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アブレーション時の動脈穿通は医療ミスか

67歳 女性
2005年12月22日

母は、心房粗動のカテーテルアブレーション治療を8月に行いました。通常は翌日または1週間以内に退院できるはずですが、3週間たっても腫れが引かず、仮性動脈瘤ができていたことが、やっと判明しました。動脈瘤を切除した外科医により、動脈に貫通した跡があることがわかりました。動脈瘤切除の約10日後、入院中に血栓による脳梗塞を起こしました。

現在、母は脳梗塞の後遺症により入院中です。病院の説明では、血管を傷つけたことは医療過誤ではなく、通常おこり得る合併症とのことです。3週間もの間、見逃していたことについてのみ謝罪がありました。
当方としては、金銭の保障が云々ではなく、脳栓塞との因果関係、アブレーションにより動脈に穴をあけたことが医療ミスではないのかを、お教えいただきたくお願い申し上げます。

回答

この場合は、アブレーションで動脈を傷つけたのではなくて、カテーテル操作中に動脈を穿通したのであろうと思います。カテーテル操作では心臓壁や動脈壁を貫くことはときにあることです。しかし、医療過誤ではなくて、通常起こり得る合併症であるというためには、事前に患者さんにこの可能性を説明して理解を求めていなければなりません。当然のことながら、これは、普通は説明されているはずのことです。

脳塞栓については、カテーテル操作やアブレーションの折に起こすことはあります。しかしながら、患者さんの場合は、アブレーション後、4週間も経ってからの脳塞栓ですので、心房内にできていた血栓がアブレーションとは関係なく、自然経過で剥がれて飛んだと考えたほうが妥当と思われます。
また、仮性動脈瘤は血管外にできた血腫が被膜に覆われてできるもので、ここでできた血栓が脳に飛ぶことはありません。

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