疾患別解説

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不整脈源性右室心筋症で妊娠を避けるようにいわれた

28歳 女性
2006年5月 9日

1?2年前くらいから不整脈を感じるようになり、最初は不整脈の数が1日5千回くらいだったのが、仕事が忙しくなるにつれて、1日1万5千回くらいと3倍に増えてしまいました。2ヶ月後に結婚を控えているために、検査入院を勧められました。不整脈に対するカテーテルアブレーションをやりましたが、すべてを焼き尽くすことはできませんでした。不整脈の数は、手術後は少し減ったようです。
その後、基礎疾患がないか、検査をしたところ、軽度右室拡大、軽度機能低下があり、不整脈と合わせて考えると不整脈源性右室心筋症の可能性は否定できないという結果でした。

これから結婚をするのに、妊娠すると心臓に負担がかかるという理由と、親子性の場合に子どもに遺伝するという理由で、1?2年は病状を見るためにも妊娠は避けたほうがいいとの先生の意見でした。
しかし、それに納得いかず、子どもを産めないと思うと悲しくて眠れません。

回答

不整脈源性右室心筋症との診断にてショックを受けられたこととご推察し、ご同情申し上げます。
私たちの心拍は1分間に70回、1日に10万回、一生に約40億回を刻むと推定されます。したがって、1日1万回程度の不整脈は確かに多く、その分心臓に余計な負担をかけたり、あるいは心臓が本来の働きを十分にできなかったりする不具合いが生じると判断されます。その点でカテーテルアブレーションを行い、不整脈数が減少したことは喜ばしい限りです。
しかし、その原因が不整脈源性右室心筋症にあるのではとの疑いをもたれたとのことですが、本症の診断はしばしば困難であり、確定診断のために経過観察を要することはよく知られています。それで、その間妊娠を避けた方がよいとのアドバイスを受けたものと解されます。様子観察の間は心臓に負担をかける妊娠を回避したほうがよいとの判断だと思いますので、子供が産めないということには必ずしもつながりません。リスク管理の常套手段としての指導と理解され、過度の不安はお持ちにならないことをお薦めいたします。
また、たとえ不整脈源性右室心筋症の診断が確定しても、医師は患者さんの希望を第一優先に考え、適切な指導に努めますので、その時には自分の希望を強く述べたら如何でしょう。いずれにせよ、循環器専門医、特に不整脈診療を得意としている医師による適切な疾病管理を受けられることをお薦めいたします。

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