疾患別解説

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大動脈縮窄と左心低形成症候群

生後2日 男性
2005年11月10日

新生児で大動脈縮窄と診断されました。また、左心低形成症候群の疑いがあるが、確定的な診断ができない、といわれています。心臓外科がある病院でも診断が困難なものなのでしょうか。それとも、医師の経験不足からなのでしょうか。
左心低形成症候群の場合、現在の病院ではノーウッド手術などの例がなく、成功率の高い病院に転院させたいと考えています。大動脈縮窄、左心低形成症候群に対して高い成功率や症例数のある病院も教えていただけるとありがたいのですが。

回答

大動脈縮窄、左心低形成症候群という診断で、左心低形成症候群の程度が明らかではない、という状態でしょうか。おそらく、左心室が全身の血液をまかなうには、十分な大きさではない可能性があるということかと判断してお答えします。
いわゆる左心低形成症候群は、左心室が非常に小さく全身への血液供給をまかなえません。そのため、ノーウッドなどの特殊な手術を早期に必要とします。しかし、正常より明らかに小さいけれども、典型的な左心低形成症候群ほど左室が小さくはないという状況の場合もあります。この場合は、患者さんの状態にもよりますが、大動脈縮窄の修復を中心として、左室機能の経過を観察して、手術方針を決める場合もあります。このような時は、左心低形成症候群の確定診断が難しい場合があります。
左心低形成症候群の外科治療を行っている病院は、いくつかありますが、その詳しい成績は公表されていません。手術数が少ないので、各病院間の比較は難しいと思います。しかし、いわゆる左心低形成症候群の治療成績は、以前と比べ良くなっています。
今回の情報だけでは、いわゆる左心低形成症候群の手術を、すぐに行うべき状態なのか判断できかねますので、一番良い方法は、受け持ちの先生に、よく相談して、必要ならば、その先生から、病院を紹介してもらうことだと思います。紹介する場合は、受け持ちの医師が紹介先の医師と十分に情報交換をするはずです。遠慮せず、相談することをおすすめします。

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