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症状のないWPW症候群にアブレーション治療は必要か

30歳 男性
2005年11月10日

3年前の会社の定期健康診断で、心電図検査の結果、WPW症候群と言われました。「自覚症状は全然ないのですが・・・」と伺うと、「そういう人もいますよ」とのことでした。専門病院での検査をすすめられることもなく、自覚症状もまったくないので、今まで3年間放っておきました。ただ、その後の定期健康診断では、毎年WPWと言われ続けています。

先日、近くの病院へ検査に行きました。心電図等の検査を数時間経て、診断結果は、やはりWPW症候群。カテーテルアブレーションによる治療をすすめられ、成功率は95%以上なので不安要素は特にないとのことでした。
とんとん拍子に入院予約と手術の日取りが決まりました。

しかし、いざ入院と言われ、インターネットで調べてみると、手術の話は、日常生活で症状が出ている人が多かったりと、自覚症状がまったくない自分とは違うようです。手術の危険性も書いてあったりして、怖くなってきました。
ここで手術を行う必要は本当にあるのでしょうか。

回答

3年前から定期健康診断の都度WPW症候群と言われているようですが、自覚症状が全くない場合にカテーテルアブレーションを受けるべきか否かのご質問と存じます。
既にお聞きのようにWPW症候群の頻拍発作に対するアブレーションの治療法は近年非常に普及し、確かに95%以上の成功率といわれています。その結果、最近では頻拍発作のない人にまでこの治療法を行うべきであるとする考えもあるようです。しかし筆者は症状のない人にまでする必要はないと考えています。
心電図でWPW型の波形を示していても一生頻拍発作の起こらない人もいます。症状のない限り日常生活には何の制限もなく普通に過ごせるわけです。もし将来頻拍発作が起こるようになったときはその時点で対策を考えればと良いと思います。

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