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両大血管転位症、肺動脈狭窄症の手術方針

6ヶ月 女性
2003年5月18日

出生時にエコー検査で両大血管転位症、肺動脈狭窄症との診断を受け、今後手術が必要と言われました。手術の計画を立てるためカテーテル検査を勧められ実施し、以下の診断を受けましたが、今の状態が良いのでセカンドオピニオンを確認したいと思いますので、よろしくお願いします。

(現在の状況)
6ヶ月、女子、体重 7.7kg 血液中酸素濃度95%

(カテーテル検査の結果)
・肺動脈弁下の漏斗部の狭窄(1mm程度)のため、低(無)酸素発作を起こす可能性がある。1回目に重い発作が起きることもありうる。
・グレン手術を行ったほうが良い。心耳が近くに寄っているためフォンタン手術は難しい。
・手術の時期は今の体重ならばいつでも良い。肺動脈9mm現在のコンディションは良いので無理に勧めることはしない。将来のこと、現在の状態を考えて納得がいった段階で手術を勧めたい。

(質問)
今の状態が良いので敢えて手術をするという決断が難しいのですが、以下の点についてお教えください。
1)グレン手術後に現在より低酸素が進む(80%程度)と言われたが、それによる発育、生活への影響の有無。
2)重い発作の可能性、手術の緊急性はどの程度か。
3)肺動脈狭窄症を改善する直接的な手術は難しいと言われたが、最近一般的と言われているカテーテル治療の可能性はあるか。

回答

診断として両大血管右室起始、肺動脈狭窄まではわかりますが、心耳の並列があるようです。大動脈の酸素飽和度が95%とすると、肺血流量は正常か増加しており、心室中隔欠損の位置は肺動脈弁より大動脈弁に近いようです。心耳の並列があると、右室の低形成が合併します。
これらの正確な診断がついてから、手術の方針を立てるので、これらをまず確認してください。お返事はこれらの有無により変わります。

1)グレン手術で酸素が80%になっても生活には差し支えありません。ただし、大動脈の酸素が95%ある場合はグレン手術をしません。
2)重い発作の可能性はファロー四徴症と同じでしょう。発作止めにはインデラル服用、貧血の予防が有効です。貧血を予防すれば、発作は減ります。
3)肺動脈狭窄が弁性でなく、漏斗部性なので、カテーテル治療はしません。

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