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肺動脈弁上部狭窄の手術

0歳2ヶ月 女性
2005年7月21日

まもなく3ヶ月になる娘のことについて相談いたします。
出生時、呼吸障害がありエコー検査で心雑音がみつかり、心室中隔欠損症と肺動脈狭窄症と診断され、現在月に一度大学病院を受診しています。

精密検査の結果、肺動脈弁上部狭窄症と診断され、弁上部の血管に膜状のものがあるとのことでした。心室中隔欠損症は自然と穴が塞がったそうですが、肺動脈狭窄症の方は受診ごとに血流の速度が増しているそうです。(2ヶ月前3.4m/秒、1ヶ月前3.9m/秒、今回4.3m/秒)
また、前回の検査で、レントゲンでは右心室の筋肉が厚くなっていること、心電図では右心室に負担がかかっていること、エコーでは右心室からの肺動脈弁3枚中1枚少し厚いことがわかりました。

以上の検査などから、主治医より心臓カテーテル手術を勧められ、近く行う予定です。
まだ小さいので、両大腿部からカテーテルをいれるそうです。直前のカテーテル検査で圧差が40mmHg以下なら手術は行わないとの説明もありました。
主治医の説明に納得したものの、生後間もないこの時期での手術が必要なものなのか、また安全性について教えてください。

回答

肺動脈弁上狭窄症は乳児期には進行性のことがあり、高度になると右室肥大と心不全を生じますから、手術が必要になります。高度の右室肥大は心臓の筋肉をいためて手術後に心臓の筋肉の障害が回復しなくなりますから、早めに手術する必要があります。
お子様の場合はカテーテル検査の結果、肺動脈圧(普通15ミリ水銀柱)と右室圧(狭窄のため、高くなっています)の差が50以上あれば手術が必要ですし、40以下なら手術なしでよいです。40ないし50の場合は経過をみることになるでしょう。
手術は乳児の心臓の手術に慣れた病院(1年に50例以上の乳幼児手術)なら比較的安全でしょう。

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