疾患別解説

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肺動脈閉鎖のバルーン治療

3歳 女性
2004年10月 4日

娘は、ちょうど一年前に先天性心疾患(肺動脈閉鎖、心室中隔欠損)の根治手術を受け、2ヶ月前に術後のカテーテル検査を受けました。

心臓の状態は多少の逆流はあるものの、比較的良好とのことでしたが、左肺動脈に狭窄があり、左右肺の血流量のバランスが悪いことが新たに見つかりました。(正常は6:4とのことでしたが、3:7とのこと)このアンバランスをそのまま放置した場合、将来の運動制限や片方の肺機能が低下する危険があると伺いました。
ただし、血管の狭窄部分が比較的長いので、カテーテルのバルーン治療が効果が出ないケースが多いため、ステントを用いた治療も検討することになりました。

1)幼児へのステントの治療は、あまり術例がないと先生から伺いました。ステントを用いた場合のリスクはどのようなものがあるのでしょうか?
2)バルーン手術により、まずは経過を見る。もしくは、他の手段等はあるのでしょうか?
3)左右肺の血流量のバランスが悪いということは、正常なバランスの人と比べて、どのくらい問題が生じるのでしょう?

回答

ステントで肺動脈を拡げる治療は多い施設ではですでに100例近い経験があり、確立した治療法です。
リスクは少ないですが、ステントがずれること、全てカテーテル検査に伴う危険があり、バルーンカテーテルで肺動脈の狭窄を拡げる際に肺動脈が裂けるリスクがあります。
バルーンカテーテル治療が第一選択の治療法ですが、ほかの治療法は開胸しての手術です。
左右肺の血流のバランスは3:7でも生活には支障ありません。さらに進んで完全に閉塞すると治療は非常に難しくなりますから、完全閉塞になる前に治療が必要です。

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