疾患別解説

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心筋症と発作性心房細動

65歳 男性
2006年6月 3日

3年前に心房細動で脳塞栓症となり入院、カテーテル等の検査を受け、サンリズム、ワルファリンの薬を処方されて現在に至っています。現在も服用しています。当時の確定診断は、心房細動、左脚ブロックでした。

1ヶ月前に、仕事中に失神し、2日間入院しました。現在は、退院し普通の生活を送っています。入院後、ホルター心電図、心エコーなどの検査を受け、診断は、心房細動、左脚ブロック、拡張型心筋症。薬はこれまでどおり、サンリズム、ワルファリンで大丈夫とのお話でした。

拡張型心筋症という病名の診断があり、心配しております。そこで、3つのことがらについて、お教えください。
1)3年前から続けているサンリズムをこのまま服用していて大丈夫でしょうか。
2)現在、通院している病院は町の総合病院であり、他の循環器専門病院で検査し、薬や治療方法を決めてもらったほうがよいのでしょうか。
3)今後、心房細動、左脚ブロック、拡張型心筋症の症状が悪化した場合、どのような症状を引き起こす可能性があるのでしょうか。

回答

発作性心房細動があって、脳塞栓を伴っておられるとのこと、難儀しておられることと思います。基礎に拡張型心筋症があるとのことですが、発作性心房細動があるときには、心筋症の診断はかなりむつかしいものです。心房細動発作のために、一時的に心臓の弱った状態がみられることがあり、本当は心筋症ではなかったという場合が大変、多いからです。このことをふまえて、ご質問にお答えします。

1)サンリズムをこのまま服用していてよいかというご質問ですが、この薬は切れ味がよいとして、知られています。薬物治療で心房細動を予防するのであれば、これはよい選択であろうと思います。しかし、漫然と薬物を継続するのは好ましくないといわれています。心房細動から回復すれば、その都度、服薬はお休みしてみるというのも一つの方法であろうと思います。
2)診断を確定しておくのは大事なことです。前に述べたように、ほんとうの心筋症なのか、あるいは心房細動の結果みられる、みかけ上の心筋症であるのか、のどちらかで今後の経過が異なってきます。しかし、治療の内容が大きく変わるということはないでしょう。
3)ほんとうの心筋症であるとすると、今後、病気は進行する可能性があります。症状としては、心不全症状、つまり、息切れや呼吸困難、浮腫などといった症状が出てくるかも知れません。こうした病気の今後の経過を予測する意味で、診断は大事なのです。

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