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人工弁の選択(将来のTAVIの可能性も含めて)

54歳 女性
2021年4月 6日

15年前に、大動脈弁閉鎖不全の手術で機械弁を入れましたが、パンヌスが形成されている可能性が高く、再手術といわれました。幼い頃にも心臓手術を受けているので、次で3回目となります。

人工弁の選択について、ご相談します。

1)再び機械弁にしても、今回同様、途中でダメになることもあり、長年、ワーファリンを服用してきたので、体への影響も気になります。

ただし、生体弁は、負担は減るが、耐久性が良くないとのことで、なかなか決められません。

2)どちらを選択しても、今後、長く元気に生きることができれば、さらに交換が必要になる可能性もあります。その場合、次回はTAVIになると思うのですが、TAVIは、機械弁からでも、生体弁からでも可能なのでしょうか? また、こちらの耐久性は、どのくらいでしょうか。

回答

1)機械弁と生体弁の選択は大変難しい課題だと思います。すでにメリットとデメリットをご理解されているようですが、念のために整理しましょう。

機械弁は一般的には耐久性が長くワーファリンで血栓塞栓症が予防できる。ただし生体反応であるパンヌス形成で人工弁機能障害が起こることは避ける方法がありません。またワーファリン投与による食べ物制限や出血リスクがあること、定期的採血チェックが必要なことがデメリットです。

生体弁はワーファリンが不要で生活の質が維持しやすいことがメリットです。デメリットは弁の寿命に制限があることですが、最近では15年を超える寿命も報告されています。注目すべき生体弁のメリットは、今後の人工弁機能障害に対してTAVIができる可能性があることです。

2)TAVIは生体弁からしか選択できません。機械弁は二枚の弁葉を支える構造物が弁の真ん中に渡してあり、TAVI弁の留置ができません。

生体弁は、弁の劣化で交換が必要になった場合、TAVIを選択肢に入れることができます。しかし残念ながら、生体弁に対するTAVI弁の長期の耐久性については、今のところ十分なデータはありません。言い換えれば、生体弁が傷んで交換が必要になった場合、TAVIと従来の弁置換のどちらがいいかを、今の段階で決定することは困難です。

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