疾患別解説

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弁狭窄症の手術

55歳 男性
2005年8月29日

先日、心エコーで大動脈弁狭窄症がみつかり、圧較差が130と大きいので手術をした方がいいとのことで、カテーテル検査をみて、手術するかどうか決めましょうとのこと。左心室は1.2倍程度だそうです。

手術は、弁置換がよいとのことですが、薬やカテーテル手術など、簡易な方法はありませんか。現在、全く自覚症状もなく、薬も飲んでおりません。

回答

突然、手術といわれて驚かれたのかもしれません。
圧較差130(mmHg)というのは重症な弁狭窄を意味します。他のデータがありませんので一般的なことしか言えません。症状がなくても手術を考える時期に来ているのは確かです。「手術をしたほうがいいことがはっきりしているのは自覚症状のある重症大動脈弁狭窄」の場合です。
数値は微妙に変動することがあるので、弁口面積も求めるのが普通です。健康な人であれば3平方cm以上ですが、高度であれば1平方cm以下になっている筈です。この病気はカテーテル治療のある僧帽弁狭窄と異なり、人工弁置換が唯一の治療法です。薬でもよくはなりません。また、進んでこないと症状がないことも特徴の一つです。
手術を考える時には左室の収縮機能、その他の数値も参考にします。左室が1.2倍の意味が良くわかりません。厚みが増加しているのか、内腔が大きくなっているのでしょうか?冠動脈狭窄の有無を調べるために手術を前提にするとき心臓カテーテル検査が行われます。

自覚症状がなければ、他の数値や合併症も考慮して手術は考えるべきでしょう。心筋肥厚や収縮機能の低下している人は症状がなくても手術をしたほうがいいという医師もいます。あなたには症状がないのであわてることはありません。急死の予防を考えて手術は行いません(手術に伴うリスクもあるからです)。手術をしたほうがいいか、様子をみるかは微妙なところでその施設の先生の考え方にもよります。
手術にならなくても注意深い定期的通院が大切です。しかし、運動や走行は禁物でしょう。

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