疾患別解説

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特発性冠動脈解離

42歳 女性
2012年3月 6日
左冠動脈主幹部の特発性冠動脈解離によって左前下行枝の急性心筋梗塞を起こしましたが、カテーテル検査では血管内には問題なく、内服治療のみで退院しました。現在、経過観察です。
特発性冠動脈解離は急性心筋梗塞を起こして突然死することも多く、重篤な疾患といわれているようですが、心筋梗塞後、再発するのでしょうか。予後についてはいかがでしょうか。

回答

特発性冠動脈解離は比較的珍しい病態で若年女性に多いといわれています。現在のところその原因や予後または治療に関する一定した見解はないと思います。
日本ではまとめた報告は少ないと思いますが、海外では1931年から2008年までの症例をまとめた報告があります。総数440例で平均年齢42.6歳、男性が133人(30%)で残りの307人は女性です。女性の平均年齢は41歳です。全体の21.5%、95人が亡くなられています。主幹部の解離の症例は27人(6.1%)でした。36%の症例で2本以上の枝の解離がありました。
1990年以降に報告された314人の治療の内訳をみると156人が薬物のみ、158人がバイパス術または冠動脈形成術を初期に受けています。この二群を比べると薬物治療のみの場合には33人(21.2%)のかたがその後バイパス術または冠動脈形成術を受けています。一方初期にバイパス術または形成術を受けた方では3人(2.5%)のみがその後に再パイバス術または形成術を受けていました。この報告では初期に積極的治療をした群がその後もよいとの結論ですが、あくまで欧米人での話です。
ご自身の場合の状態の詳細はわかりませんが、冠動脈造影にてはっきりしない程度の残存であれば、経過観察でよいのではないでしょうか。原因も諸説ありますが、女性特有のホルモンにくわえて、妊娠出産に伴う血圧変動や循環血液量の増加などの血管の負担が一因といわれています。血圧を低めに保ち、過激な運動などを避けることが大切と思います。

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