疾患別解説

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心房中隔欠損症のポートアクセス治療

39歳 女性
2005年4月10日

回答

心房中隔欠損の手術はお聞きになった通り大変安全な手術になっていますが、それでも手術による死亡がゼロというわけではありません。2002年に全国で行われた単純な心房中隔欠損の手術は1857例ですが、そのうち4人の方が亡くなっておられます。つまり死亡率0.2%です。一般的な手術では胸の中央を縦に切開するのですが、女性の場合、これでは服によっては傷が見える場合がありますので、右の乳房の下を切って行う手術方法もあります。それであると傷はあまり目立たないと思いますが、どちらかというとより安全な方法として胸を縦に切る方法を好む外科医が多いと思います。
慶應大学病院が行っているポートアクセス法は確かに傷は非常に小さくて済みますが、多くの心臓外科医がこれを行わないのは、その方法に不慣れであり、普通の方法でやるよりも若干危険が高いと思っているからだと思います。この方法でたくさん手術をしている病院であれば、従来の方法と同じ危険度で手術ができると説明をされるかもしれません。しかし若干は従来の手術方法よりも危険が高くなり得ると思います。というのもこの方法で1000例もの手術を行っているとは思えないからです。慶應大学病院を受診してその方法について詳しい説明をお聞きになるのが一番ですが、他の方法よりも若干危険が高いと言われた時に、それでもなお、その方法でやって欲しいと言われるかどうかはご本人次第です。
婚期を控えた女性のような場合には若干の危険が増えるとしてもポートアクセス法を選ぶと言われる方もおられると思いますが、貴方様の場合それでもポートアクセス法を選ばれるかということです。最終的にはご本人がお決めになることと思います。もちろんポートアクセス法でやった場合には、一般的には入院日数は短いと思いますが、多くの手術をやっているところでは、普通の方法でも何も合併症が起こらなければ1週間から10日くらいで退院になると思います。

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