疾患別解説

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定年近くに心房中隔欠損症の手術を勧められた

55歳 男性
2005年2月13日

回答

一般的に言って、手術適応のある心房中隔欠損症(ASD)は手術したほうが良いと言われています。手術適応がない症例は
1) 手術しなくても生命予後に変わりがない軽症例(例えば欠損孔が径10mm以下)
2) 手術すると危険が大きい。あるいは手術不可能の重症例(肺動脈圧が70mmHg以上の肺高血圧症例、チアノーゼのみられる症例など)

あなたのASDは肺動脈圧も異常がなく、Qp/Qs=4.3、ASDの大きさ17-23mmなので手術の適応症例です。手術の危険(死亡率)は1%以下だと思います。
1) 手術をして約6ヶ月たてば今まで通りの仕事が出来ます。退院後1ヶ月で通常の仕事に復活する人がほとんどです。
2)定年まで4年なので1年に1度か2度心エコーなどで検査をしてもらい、データが余り変わらなければ定年後の手術でもよいと思います。
3)これは大切なことですが、現在症状がないとのことで、大変よいことですが、様子をみているうちに症状(階段をのぼる時に動悸や息切れ、疲れやすさ、不整脈が看られたときなど)が出た場合には手術したほうがよいでしよう。自分の症状ですから、自分で判断ができ、最も重要なことです。
4)カテーテルによって、欠損孔を両側から布で閉鎖する方法があります。これはどこの病院でもできる方法ではないので、専門病院を受診し相談されるとよいでしょう。

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