疾患別解説

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1歳児の房室ブロック、1型か2型か

1歳 男性
2005年12月17日

川崎病で入院中、一週間ほどたった頃、心電図モニターにより房室ブロックが発覚しました。二度のホルター心電図ともに1型か2型か、判断がつかず、確実にわかるカテーテルによる検査は、3歳くらいまで待ちましょう、ということになりました。
主に寝ている時にQRS波が頻繁に飛びます。二度目のホルターの際、副交感神経の断絶の投薬をし、約30分間は正常心拍だったそうです。

小児科担当医のお話では、川崎病のフォローとあわせて、月一度のホルター心電図、エコー、レントゲンによる検査で様子を見るということでした。川崎病との関連は症例もなく、先天的なものではないか、という意見でした。
1型が9割以上だが、1型にしては飛び過ぎる、2型の可能性が捨てきれないという感じだそうです。

今の先生の話で納得はしていますが、1型2型の判断がつかないので、他病院での意見や検査をしてみたいと考えています。現在の担当医は小児科ですが、循環器の専門の意見を伺いたいと思い、相談しました。

回答

房室ブロックの1型は伝導が次第に延びて、QRSが落ちるのですが、2型は突然にQRSが落ちるということで、区別されます。ところが、1型であっても、伝導が次第に延びるはずが、次第にという経過をとらずに、すぐにQRSが落ちてしまうという場合があって、これでは、2型と区別ができません。お子様の場合はこれに該当すると思われます。
これを鑑別するためには、
1)QRSが落ちた後、自発的に起こる心室興奮の波形をみること
2)運動負荷試験をしてみること
3)心臓機能検査を行うこと
4)カテーテルを用いた電気生理検査を行うことなどの方法があります。しかし、まだ、大変幼いので、しばらく様子をみてからということになります。ただ、2型で問題となるのは、QRSが落ちた後、心室興奮がしばらくつづかないという事態が起こることが心配なのです。
したがって、第一に、意識を失っているようにみえることがないか、症状に注意すること、第二に、時折、心電図検査を受けて、心電図上の経過をみるという2点を留意することでよろしいのではないかと思います。

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