疾患別解説

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ブルガダ症候群の予後と遺伝について

48歳 男性
2006年4月16日

先日、職場で意識を失い倒れました。40度の発熱と不整脈で精査をした結果、主治医よりブルガタ症候群の疑いがあると言われました。突然死の可能性も示唆され、現在、大学病院での受診待機中です。
1)この病気の予後について、教えてください。
2)現在、製造現場に勤務しているが事務職への配置転換は必要でしょうか。
3)遺伝性のものであるということで、家族も検査を受けたほうがよいのでしょうか。

回答

1)この病気の予後について
ブルガダ症候群は心電図の異常とそれに伴う心室細動、突然死が問題になる疾患で、もし確定診断がつけばICD(植込み型除細動器)治療が必要です。
ICDが的確に作動すれば、心室細動が起こっても突然死を防止することができます。
もともと器質的心疾患(例えば心筋梗塞、心筋症、弁膜症など)がないので、心不全が発症しやすいということはありません。

2)事務職への配置転換は必要か
必要ないと思います。
運動負荷や重労働が病態を悪化させるという報告はありません。むしろ、睡眠不足やストレスなど自律神経のバランスを不安定にさせることのほうが影響する可能性が考えられます。
ただし、ICDを装着した場合は、公共交通機関の自動車運転などは制限される可能性があり、運転免許の更新の際にも特殊な診断書が必要になります。

3)遺伝性のものであるということで家族も検査を受けたほうがよいのか。
ブルガダ症候群のすべての例が遺伝性というわけではありませんが、念のため普通の心電図は確認しておいたほうがよいかもしれません。
一部の例では遺伝子異常の存在が確認されていますので、もし血縁の家族内に突然死が多発しているようであれば、遺伝子検査も検討すべきだと思います

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