疾患別解説

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WPW症候群で、いまは症状がないのですが

28歳 男性
2004年7月16日

主人の病気について、教えていただきたいと思います。主人はWPW症候群です。現在28歳ですが、14歳のときにその病気が分かり、18歳まで年に1度検査に行っていたそうですが、特に問題がないということで、その後は検査に行っていません。
今まで特に発作などないようですが、寝ていたり横になっているとき、目で見てわかるほど脈拍が早いのが気になります。
主人は1歳のときに心臓の手術をしていて、その時の手術は心臓の壁に穴があいていて、それを塞ぐ手術をしたそうです。WPW症候群とその時の手術は関係ないとは思いますが、同じ心臓ということが気になります。その時の手術と何か関係しているのでしょうか?
また、主人のお父さんも50歳前に心筋梗塞で亡くなっています。心筋梗塞は主人にも遺伝するのでしょうか?
WPW症候群でも発作が一度もなく一生を終える人もいると聞きました。主人はいま現在発作というようなものは見受けられないそうです。ただお酒をあまり多く飲むと動悸がすごくなるそうなのでお酒はあまり飲みません。タバコは吸います。
ただ脈拍が速いというだけならば手術も投薬も必要ないのですか?
ふだんの生活で心がけることはありますか?
また、先天性の心臓病やWPW症候群は子どもに遺伝するのでしょうか?

回答

ご主人の健康についてのご相談で、一読して現在それほど心配されるほどのこともないようですが、以下要点のみを簡単に記します。
心臓の壁に穴があってそれを幼児に手術されたというのは中隔欠損(心房から心室のいずれかの)という先天性の異常で、それとWPW症候群とは関係はありません。どちらの病気も遺伝のことはよくわかっていません。
現在までWPW症候群の方は無症状のようで、心電図上の異常だけが指摘されているものと思います。それでも何となく脈の速くなるのが気になるようですが、寝たり横になっているときに脈が速くなったり、お酒を多く飲むと動悸がすごくなるというのは普通の生理的なもので、WPW症候群に見られる頻拍発作は性質のまったく違うものです。
WPW症候群で起こるのは発作性上室頻拍といわれるもので、期外収縮(不整脈の一種)やちょっとした体に受ける衝撃をきっかけにいきなり一分間180?200拍ぐらいの激しい動悸が始まるものをいいます。自然に停止する場合もあり、病院に駆け込んで注射でとめてもらう必要のある場合もあります。現在無症状なので投薬の必要もありませんが、今後もし発作が出てくるようであればその都度対処の方法はあります。
最近では頻拍発作のもとになっている心臓内の回路の一部をカテーテルで焼灼(カテーテルアブレーション)するという根治治療が可能となり、その成功率も100%近くにまでなっています。
お父様の心筋梗塞はそのまま遺伝するわけではありませんが、梗塞の原因となる動脈硬化ができやすい体質は子どもにも伝わる傾向はあります。しかし原因はそれだけではありません、タバコも危険因子といわれていますので念のため。

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