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アブレーション治療の費用と社会復帰

34歳 男性
2005年6月12日

約20年程前に動悸が起きるようになり、最初は数分で治まっていたのですが、だんだんと時間が長くなり、終まいには一日中続くようになりました。不安を感じ病院へ行き、診断を受けたところ、即日入院をさせられ、1週間ほど安静にし、投薬治療にて退院。
その後、勤めをするようになり、疲労感が溜まったときなど数分の動悸がありましたが、直ぐに治まっていたので気にはしていませんでした。
しかし、先月中旬より動悸が再発。日毎に時間も長くなり、胸に多少の圧迫感も感じられ、24時間ほとんど動悸が治まることなく続くようになり、近くの内科へ受診。
ワソランの点滴と錠剤の処方を受けましたが、日によって治まっている時と数時間、数十時間続く日々に循環器専門の病院を受診。
担当医からは大学病院でのカテーテルアブレーション治療を勧められました。
そこで、病院によって多少の差はあると思いますが、入院期間と入院費、治療費を教えていただけませんか。(高額治療費請求で戻って来ることは存じていますが、やはり退院時には費用を準備しないといけませんので)
また、仕事柄残業が多く、徹夜や休日出勤も当たり前の世界なので、治療後の社会復帰に少々不安を感じますが、退院後すぐに仕事に復帰できるのでしょうか。

回答

1)発作性上室性頻拍には大きく分けて房室結節リエントリー性頻拍とWPW症候群における房室回帰性頻拍があり、ともにカテーテルアブレーションで根治させることができます。前者では房室結節の遅伝導路、後者ではケント束を高周波電流で焼灼しますが、成功率はいずれも95%を超え、再発はほとんどありません。ただしケント束の付着部位などによって、どうしても焼灼できない例がまれにあります。
2)入院期間、治療費に関しては、施設によって多少の差があると思います。一般的にはアブレーション治療前後の検査や経過観察を含めて約1週間の入院で、すべての治療費を含めて200万円弱だと思います。これは標準的にカテーテルを5本前後用いて治療し、事前の心機能チェック、事後の出血や感染など合併症予防処置、治療効果の確認を含めた総費用です。健康保険を用いれば、3割負担で約60万円退院時に必要になります。安全かつ確実に治療を行うという観点からはあまり勧められませんが、用いるカテーテルの本数を減らして、アブレーション治療のみを1泊2日程度で行えば、トータル120?130万円で可能かもしれません。
3)治療後の社会復帰は、退院後すぐにでも可能ですが、1ヵ月後、6ヵ月後、1年後などには心電図で再発のないことを確認しておくべきでしょう。

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