疾患別解説

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心筋梗塞以外のトロポニン高値の可能性

35歳 男性
2006年12月 7日

主人はウェンケバッハ型の2度房室ブロックがありましたが、特に問題がなく経過観察でよいとの診断を受けました。ただ、マラソンをやっているため、主治医より「念のため運動負荷検査をやってみては」と薦められ、循環器専門の病院を紹介されました。
紹介された病院を受診したところ、採血で心筋梗塞が疑われるとのことで、緊急入院しました。
心電図では、若干STが上昇している(が、正常な人にも認められる範囲の上昇)、CK500と高い、トロポニンIが陽性、自覚症状はまったくない、心エコーでは正常でした。
以上のことから、可能性は低そうだが心筋梗塞の疑いがあると言われました。
主人は、コレステロールも正常で、痩せ型のスポーツマンです。梗塞のリスク因子は低く、トロポニンの所見以外は、梗塞を疑うものではないのですが、トロポニン陽性となるのは、梗塞以外に考えられないとのことで、緊急で心臓カテーテル検査を行いました。
カテーテルの結果は、冠状動脈には問題がなく、心臓の動きも問題なかったそうです。
心筋梗塞は、否定されましたが、なぜトロポニンが上昇しているのかは判らないと言われ、心筋が本当にダメージを受けていないか今後は心筋シンチとRI検査を行うとのことです。
激しい運動により、CKの値が上昇するのは周知のことだが、トロポニンIも上昇するとは聞いたことがないと言われ、主人の体がどうなっているのかが心配です。トロポニンが、心筋梗塞以外のことで上昇する例はないのでしょうか。

回答

トロポニンは心筋由来のタンパクです。これが高値というのは、心筋細胞の壊死があったことを意味します。しかし、壊死のためであれば、壊死が起こったときに高い値を示しますが、やがて、日が経過するとともに、低下していきます。もし、いつも高い状態がつづいているというのであれば、心筋壊死とは関係はなく、トロポニンの代謝過程が損なわれていて、このためにトロポニンが減少しないのではないか、と考えることになります。腎臓機能が低下していると、トロポニンの排泄が障害されて、高い値をとることも知られています。何度も繰り返して測定してもらっては、如何でしょうか。

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