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安静時狭心症とはどんな狭心症か

43歳 男性
2006年12月 5日

安静時狭心症とは、どのような狭心症で、どのような治療方法があるのでしょうか。
ステント治療などはできるのでしょうか。

回答

安静時狭心症は、労作狭心症に対応する用語で、安静時に発生する狭心症という意味です。
その中には、通常の狭心症のように冠動脈の狭窄を伴うものと伴わないものがあります。
冠動脈の狭窄を伴う場合は、ステント治療やバイパス手術などの適応になりますが、狭窄がない場合は狭心症の発生機序を考慮した薬物治療が行われます。

冠動脈の狭窄がないにもかかわらず狭心症が起こる機序としては、冠攣縮(スパズム)という現象が関与すると考えられています。冠攣縮では、ストレスや迷走神経の刺激などによって冠動脈が痙攣を起こし、内腔が狭くなるために血流が低下して狭心症が起こります。
冠攣縮による狭心症のうち、深夜から早朝にかけて睡眠中に発生し、心電図で著明なST上昇を来たすものを異型狭心症と呼んでいます。

このような狭心症は、トレッドミルやマスターなど通常の運動負荷試験では診断できず、冠動脈造影を行っても全く狭窄がなく、ホルター心電図を何回か記録してようやく診断されることも少なくありません。
狭窄はありませんのでステント治療やバイパス手術などを行う必要はなく、カルシウム(Ca)拮抗薬など冠攣縮を予防する薬剤を使用することによって治療が可能です。

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