疾患別解説

疾患別の解説と過去の相談事例がご覧いただけます。

大動脈弁膜症とは

 大動脈弁狭窄症

 大動脈弁狭窄症とは、大動脈弁が狭くなるために起こる疾患です。弁口が大きく開かないため、左心室から大動脈(全身)に十分な血液を送り込むことができません。そのため左心室の中の圧力が高い状態が続き、左心室の壁(心筋)に無理な力が加わって厚くなっていきます。血管には十分な血液が流れ込まないため、血圧は低下します。このような状態が続くと、やがてめまいや失神、息切れ、胸痛などの症状が出てきます。

 大動脈弁閉鎖不全症
 

 大動脈弁閉鎖不全症は、大動脈弁が完全に閉まらないために起こる疾患です。弁口が完全に閉じないと、大動脈から左心室に血液が逆流し、やはり全身に血液を十分に送り込むことができません。無理して血液を送り出すため左心室に負担がかかり、やがて左心室が大きくなり、壁(心筋)ものびてしまいます。このような状態が続くと、動悸、息切れ、呼吸困難といった心不全症状が現れます。

 大動脈弁狭窄症の多くは、大動脈弁とその周囲が加齢による変性(石灰化、動脈硬化)で狭くなるもので、動脈硬化性(老人性)大動脈弁狭窄症といいます。大動脈弁閉鎖不全症では、動脈硬化が原因であるもののほか、大動脈弁に近い大動脈に瘤ができて、それに弁がひっぱられて閉鎖不全を起こすことがあります。
 また、狭窄症、閉鎖不全症の原因のひとつに先天性の大動脈二尖弁があります。通常は三枚ある弁が生まれつき二枚しかないもので、100人に一人の割合であるといわれています。弁としての機能には異常はなく、ほとんどの人が一生気づかないままですが、一部の人で中高年になった頃に加齢による弁の石灰化(狭窄)あるいは周囲がゆるんで(閉鎖不全)発症することがあります。
 

 治療は人工的につくった弁を手術で取りつける人工弁置換術が主に行われます。外科的方法と最近はカテーテルで行う方法(TAVI)も行われるようになりました。
 

(日本心臓財団ハートニュース45号、2003年を参考に作成)

妊娠と期外収縮、小学校の心電図検診でQS型といわれた、不整脈と弁膜症で心不全に、狭心症の疑いなど、日本心臓財団は7,500件以上のご相談にお答えしてきました。

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