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大動脈解離の再発を防ぐための血圧管理

62歳 男性
2004年6月24日

私は、透析を始めて6年がたちます。今年の1月に急性大動脈解離になりました。手術はしませんでした。血圧は 150から110ぐらいです。ところが1週間ほど前から血圧の薬を飲むと90ぐらいまで落ちます。血圧があまり低いと歩けません、といって薬飲まないと、血圧が160以上になり、また解離になるかと思って心配です。透析の時、血圧が低いと苦しくてたまりません。体も血圧があまり低いとだるいです。私は腎臓が2つともありません。とにかく心配です。血圧はどのぐらいで解離にならないのでしょうか。

回答

大動脈解離は近年、増加している印象を受けます。大動脈壁は内膜、中膜、外膜の3層で構築されています。内膜に突然裂孔をきたして、大動脈圧(血圧)によって壁内に出血を生じ、中膜解離を招来する疾患であります。内膜破綻の好発部位は、大動脈弁上数cmの上行大動脈と左鎖骨下動脈分岐直後の下行大動脈にあります。
<分類>
(DeBakey分類)解離の始まりと進行部位で分類しています。
I型:上行大動脈から始まり、大動脈弓を越えて腹部大動脈まで至るもの
II型:上行大動脈に限局するもの
III型:左鎖骨下動脈分岐直後に始まり、下行大動脈末梢に及ぶもの
IIIa型は胸腔内に限局するもの、IIIb型は腹部大動脈までおよぶもの
(Stanford分類)臨床的予後の観点から分類しています。
A型:解離が上行大動脈に及んでいるもの
B型:解離が左鎖骨下動脈分岐以下の下行大動脈に及ぶもの

<治療>
治療しない場合の大動脈解離の予後は、致命的です。24時間以内に全症例の25%、1週間以内に50%、1カ月以内に75%、1年以内に90%以上が死亡するといわれています。

急性期StandfordA型、DeBakeyI、II型に関しては、外科的治療が内科的治療より成績が良い。合併症のない急性期StandfordB型とDeBakeyIII型は、内科的治療のほうが成績が良い。安定した慢性期の大動脈解離も内科的治療を行います。
大動脈解離の内科的治療の基本は、血圧コントロールです。収縮期血圧を通常100?120mmHgに維持します。透析中の場合も100?120ぐらいに保つのが理想的と思います。

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