疾患別解説

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拡張型心筋症とアーチストの量

40歳 女性
2011年5月11日
倦怠感があり6年ほど前に受診したところ、拡張型心筋症と診断されました。当時の左室駆出率(EF)は40前後で、現在は30前半です。
アーチストを服用していますが、拡張型心筋症に対しては、アーチスト錠の量が多いほうが効果が高いと聞いています。
現在、アーチストは2.5mg/日でこれより増量したことがありません。血圧は上が110前後で、増量してもすぐに倒れるような値ではないと思いますが、主治医は安定しているから増やすつもりはないとのことでした。
安定といっても、EF値は下がっていますし、左心室も肥大しています。アーチストの量が少ない気がするのですが、いかがでしょうか。

回答

アーチストは交感神経ベータ作用の遮断薬です。昔、拡張型心筋症のために心不全状態にあるときには、交感神経ベータ作用を増強する薬を用いていました。ところが、心不全のときには交感神経ベータ作用は弱めたほうが、治療効果があるということがわかってきて、今日では遮断薬を治療のために用いるようになっています。このような経緯からもわかるように、心不全の場合の遮断薬の使い方は難しいのです。量がわずかに過ぎたために、かえって、心不全を悪化させることはよく経験されています。アーチストをごく少量使用したのに、心不全を悪化させてしまったという例も経験されています。担当医はこのような経緯を考慮して、慎重に量を選んでいるものと思います。どれだけに増やしてよいのか、についての判断には慎重すぎるということはないと思います。

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