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心房中隔欠損のパッチが外れた

32歳 男性
2007年10月 2日

20歳の時に心房中隔欠損と診断され、手術を受けましたが、最近の定期健診で、前回つけたパッチがなくなっているため、緊急性はないが、数年のうちに再手術が必要と言われました。
再手術をした場合、再びパッチが取れる可能性はあるのでしょうか。

回答

心房中隔欠損を閉鎖するのにつけたパッチがなくなったという前例は聞きません。昔、心臓外科が始まった頃には心房中隔欠損や心室中隔欠損に使った材料が溶けてなくなってしまった例がありますが、近年ではそのようなことは考えられません。

心房中隔欠損の場合、多くは自己の心膜が使われていますので、なくなったというよりも一部分が外れて再開通が起こっているのではないかと思います。したがって、現在の中隔欠損の大きさが、前回手術された時の心房中隔欠損の大きさと比べてどうであるかというのが再手術を考える時の条件にもなると思います。

緊急性がないといわれるのは余り大きな欠損孔になっていないからではないかと思います。心房中隔欠損症の手術で一番大きな問題は、肺高血圧症になってくる可能性です。したがって、現在肺動脈圧がどのくらいであるかということにも関係します。パッチが外れてしまって手術前と同じ大きさの心房中隔欠損ができているのであれば、やはり手術を受けなければならないと思いますが、パッチの一部分が外れて小さな孔が残っているのであれば、必ずしも手術は必要ではないかもしれません。その点は詳しいデータをお聞きしなければ何とも申し上げられないところです。

いずれにしても前回手術をお受けになった病院で、手術所見についてお尋ねになり、そのデータを現在診断してくれている医師の所にお持ちになって、現状と比較検討のうえ方針をお考えになるのが良いと思います。
前回手術した時の所見が明らかであれば、あるいいは手術をせずにカテーテルで閉じるということが考えられるかもしれません。

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