疾患別解説

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心室中隔瘤

54歳 女性
2004年8月17日

以前から人間ドック、職場の健康診断などで洞除脈などのチェックがあり、自覚症状としては、8年前ごろから急な坂道や階段を登ると動悸息切れ胸苦しさがありました。また数年前ごろから朝3時ごろに苦しさで目が覚めることがありました。
今回、心電図、運動負荷テスト、24時間ホルター心電図、CT検査、心エコー検査、内視鏡検査、MRI検査、心カテーテル検査の結果、右心室中隔膜様部に瘤が二つあることがわかりました。
心カテーテル検査をするまでは、バルサルバ洞動脈瘤で早期手術が必要とのことでしたが、心カテーテル検査で心室中隔瘤であることがわかり、私が手術をためらっていることと、主治医も場所から診て急がなくても経過を診る方法があるからということで、薬(ワーファリン)を調整中です。症例が少ないとのことです。
主治医によると、瘤を手術してもこれらの症状は変わらないとのことです。心臓や脳に血栓ができる可能性を心配しての手術とのことです。
珍しい症例とかで、私では文献をみつけることができません。症例がありましたら今後の治療についてどうすれば良いか参考にさせていただきたいのですが。

回答

心室中隔瘤はきわめて珍しく、どこの施設でも多くを経験されている先生はいないと思います。
一般には生まれつきに心室中隔上部の薄い膜様部といわれる箇所に心室中隔欠損症があり、この孔が成人になる過程でこの膜が孔をふさぐ機転として生じたものと考えられています。専門的になりますが、近くにある三尖弁の一部も閉鎖に関与しているという説もあります。小さいときに心室中隔欠損があったという確証はなく、あくまでも推察です。まれには孔がなくても生まれつき弱い部分が、高い左室圧のために右室側に膨隆した可能性も否定はできません。原因はともかく、先生が言われているように、これ自体が息切れや不整脈の原因にはならないと思います。手術で切除しても症状はなくなりません。
孔が開いた人もいますが、その場合は雑音がありますので、あなた様は瘤だけだと推察します。この場所は大動脈の基部にあるバルサルバ洞瘤とまぎらわしく、心エコー検査、心臓カテーテル検査、CTなどで診断します。心電図、胸の写真では診断できません。これ自体では症状はないために検診では発見されないで、何かの機会に心エコー検査を受け、偶然に見つかる人がいるようです。バルサルバ洞瘤のほうが危険率は高いので、中隔瘤で良かったと思います。
瘤の大きさが不明ですが、瘤は大きいほど合併症は増えるとは思います。中に血栓ができることがあり、塞栓症の予防でワーファリンが処方されているのだと思います。
心臓の手術で取ることによる合併症(手術による脳塞栓や出血、不整脈、その他)は皆無ではなく、放置しておいて起こりうる不都合なこと(脳塞栓、感染性心内膜炎、穿孔による心室中隔欠損)など、どちらの危険性が高いかを考慮して治療が決定されます。誰も正しい答えはできません。

最近は診断機器が発達して偶然、あなた様のように発見される心臓の病気があります。症状がないのであれば、先生の言われるようにこのまま,定期的に検査を受けながら、経過をみることをお勧めします。もし、瘤が大きいのであれば意見が分かれると思います。

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