疾患別解説

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収縮性心膜炎

77歳 男性
2004年10月13日

77歳の父についてご相談します。
10年以上前より糖尿、高血圧、不整脈等で治療を受けていましたが、2年前より胸水が溜まり、胸腔ドレーンのため入退院を繰り返しています。
体力の回復を待ち、今年6月に全身麻酔にて胸膜採取の検査手術を受けましたが、生検は異常なし、胸膜は10倍の厚みになっていたそうです。
手術後、若い頃に肋膜をしたことから薬による抗結核薬を開始しましたが、体力減衰が目立つようになり、手足が浮腫み、血圧が200に上がり抗結核薬を中止しました。

さらに主治医から、収縮性心膜炎と診断され、このままでは体力、他臓器が衰えるばかりなので早期心膜切除術を勧めます、と言われました。
しかし、心臓外科の先生から手術も一つの手段ですが、肥厚があまりみられないし、高齢であり、術後の合併症が心配なので、危険度は2?3割だと言われました。

私たちは主治医と手術の方向で話していましたが、外科の先生の話をうかがって、高齢であり、しかも体力がないところで死亡率の高い心膜切除術を受けて大丈夫なのか心配です。手術しないで治す方法はないのでしょうか。

回答

胸腔ドレーンをおくために入退院を繰り返すような胸水の貯留や浮腫があり、ベッドから離れられないという状況では、手術治療が選択肢となります。
手術をしないで、内科的治療を行なうには、利尿薬を用いるしか方法がなく、しかもこれには限度があります。結核治療薬による治療はこの時期になると効果は期待できないでしょう。多分、長年の経過の中で進行してきた心膜癒着であろうと思いますので、広汎な心膜切除のための出血などの危険を伴うことは事実です。しかし、手術には心膜を全部切除するのではなくて、締付けの強い部分を切除するという方法もあります。この辺りは担当医とよくご相談になって下さい。

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