疾患別解説

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心サルコイドーシスと和温療法

70歳 女性
2014年4月21日
「心サルコイドーシス」という難病に罹患しています。不整脈等があり、心不全状態です。最近、和温療法のことを聞き、サルコイドーシスそのものが良くならなくとも、心不全状態がいささかでも効果があるのではないかと思うのですが如何でしょうか。細かなデータがないと分からないかもしれませんが、基本的に向いてるか向いてないかをお聞きしたいのですが。

回答

「心サルコイドーシス」で不整脈がみられ、心不全の状態とのことですので、心サルコイドーシスの病変は進行した状態にあることが推察されます。不整脈と心不全に対する必要な薬物療法および非薬物療法はなされているという前提で、専門医に回答していただきました。
和温療法は「和む・温もり」療法で、患者さんにとって安全で優しい治療法です。慢性心不全に対する効果は、日本循環器学会の慢性心不全に対する治療ガイドラインにクラスI(有効)として記載されています。特に拡張型心筋症や虚血性心筋症などによる慢性心不全に対する有効性は明らかです。しかし、心サルコイドーシスに対する有効性の検証は未だなされていません。「心サルコイドーシス」が進行して拡張型心筋症に類似した病態で、心機能が低下しておれば和温療法の効果は期待できます。和温療法は全身の血管を拡張する作用があり血管機能を改善します。したがって、心臓の働きが低下している心サルコイドーシスの患者さんにとって、和温療法は心臓から全身への血液供給(心拍出量)を増強する作用があります。
また、和温療法の効果には自律神経の働きを是正する作用もあります。一般に心不全の患者さんでは交感神経の活性は亢進しています。和温療法は交感神経の活性を抑制し、副交感神経の活性を亢進させます。心不全にみられる期外収縮を減少させます。しかし、心サルコイドーシスにみられる不整脈に効果があるかどうかはまだ検証されていません。
現在、和温療法は保険収載されていませんので、和温療法を導入している施設は限られています。和温療法を高度先進医療として導入している施設は19施設です。施設名については「和温療法の高度先進医療」を検索してください。もし和温療法を希望される時は、希望される施設の和温療法の担当者にお問い合わせください。

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