疾患別解説

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異型狭心症による心室細動

57歳 男性
2004年9月10日

57歳の父のことでご相談します。
朝、出勤の準備をしていた時に意識を失い、そのまま心肺停止状態になりましたが、救急隊の措置により脈拍が回復し、病院に運ばれました。
異型狭心症が原因で心筋梗塞、心室細動を引き起こしたのではとのことでした。

その後、3日間は意識不明でしたが、4日目に意識が戻り、6日目の朝に心電図で細動が確認されたため、早急に植え込み型除細動器を入れることを勧められました。

このような場合、除細動器を入れるのが最適な方法なのでしょうか?
本人が身体の中に機械を入れることに不安を感じているようなので、できれば投薬など他の方法で対処したいと思うのですが無理でしょうか?

回答

異型狭心症(冠攣縮性狭心症)ではしばしば心室細動を伴い、このために急死することがあります。お父様の場合は異型狭心症の診断が確定しているわけではないようなので、次の3つの可能性を考えなければなりません。
1)間違いなく異型狭心症が起こって、このために心室細動発作を起こしたという場合です。これが明らかならば、狭心症の薬物治療だけで発作は予防されます。
2)ひそかに進行した心筋病変があって、これに狭心症が引き金になって心室細動発作を起こしたという場合です。この場合は狭心症治療は心室細動発作をある程度は予防しますが、万全ではありません。
3)実は異型狭心症ではなかったという場合です。この場合は狭心症治療は全く予防効果をもちません。
このように整理してみると、まずは除細動器を入れておいて、発作の防止に備えておいてから、狭心症の薬物治療を充分に行っておくのが安心であるということがおわかりになると思います。たとえ、(1)の場合であったとしても、発作は起こらず、したがって、除細動器は作動しないままですので、除細動器を入れていないのとなんら変わりはありません。

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