疾患別解説

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弁置換手術後の徐脈とペースメーカ

58歳 女性
2005年6月15日

58歳の母のことで相談します。昨年秋にめまいを起こし、検査の結果「修正大血管転位」とのことで、今まで元気だったのも珍しいと言われました。外科医より、心肺停止装置を使用した三尖弁置換術を勧められました。先天性疾患ではあるが、死亡率も一般の弁置換術とほぼ同様とのこと。
先日、弁置換術を行いました。術前の説明では「手術中または術後に不整脈が出た場合、ペースメーカを入れる可能性がある。」とのことでしたが、手術中は不整脈が出ませんでした。しかし術後、心房細動が何度もあり、1日2回リスモダン(カプセル)を服用していたところ、急に脈が30くらいに下がり、「至急ペースメーカを移植する必要がある。当面リスモダン服用を中止する。」との説明で、同日ペースメーカ移植術が行われました。
「リスモダン服用をストップして経過をみたい」と申し出ましたが、「至急!」との説得であきらめました。
しかし、やはり納得がいかないのです。リスモダンを服用しなければ心房ブロックは出なかったのではないでしょうか。
そしてペースメーカ移植の翌日、今度は脈が150になり、結局リスモダン服用再開となりました。医師に説明を求めましたところ、「母は不完全ブロックと頻脈が発生するので、ペースメーカとリスモダンの服用で生命を維持していくしかない。」とのこと。
現在、リスモダンRを1日2回服用しています。服用2時間後くらい唇が青ざめます。医師は心配ないとの見解ですが、私はリスモダン服用後、副作用で極度に下がった脈をペースメーカで補うという、現在の方法しかないのか、仕方ないのか知りたいのです。

回答

弁置換手術後にはペースメーカを必要とする徐脈の起こることがあります。これはリスモダンの使用とは無関係であり、リスモダンを止めれば大丈夫というものではありません。しかし一方、リスモダンは心房細動に対する治療薬ですが、ときに徐脈を助長することがあります。ペースメーカが間に合わないときに、とりあえずリスモダンを中止するというのはこのためです。弁置換手術後に徐脈を起こした患者さんにはペースメーカを入れておくと、リスモダンを安心して使うことができるというのが大きなメリットです。ペースメーカ植え込みが勧められているのはこのためなのです。

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