疾患別解説

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アブレーションを受ける決心がつかない

32歳 女性
2004年10月18日

半年ほど前から、安静時に突然動悸が激しくなり、苦しむことがあったのですが、病院でも心電図に異常がなく原因不明でした。
先日、運動時に激しい動悸が襲ってきて、30分以上経っても治まらないので救急車で搬送され、発作性上室性頻脈症ということが分かりました。先生からは、カテーテルアブレーションを勧められています。
1)どうしてもカテーテルアブレーションを受ける覚悟がつかないのですが、もしこのまま受けずにいたら、どうなるのでしょうか?
2)現在子供を望んでおりますが、カテーテルアブレーションを受けなくても問題ありませんか?
3)痛みにかなり弱いのですが、カテーテルアブレーションとはどのくらいの痛みを伴うのでしょうか?
4)救急車で搬送された病院は、発作時の心電図データなどがありますが、やはりカテーテルアブレーションの実績の多い病院でと考えています。その際、発作時のデータのない病院でお願いすることなど可能でしょうか?
5)カテーテルアブレーションを受ける際には、どのような病院を選んだほうがよろしいのでしょうか?

回答

「発作性上室性頻脈(頻拍)症」でカテーテルアブレーションを受けるべきかどうかお悩みのご様子ですが、以下お答えします。

カテーテルアブレーションは既に20年近く前から始まり、現在では頻脈の治療には欠かせないものとなっています。特に発作性上室性頻脈の治療の場合は安全性も治癒率非常に高く、今では確立した治療法ですからこの際真剣に考えても良いのではないかと思います。アブレーションによる治療は発作の起こる心臓内の回路を直接遮断してしまうので根治治療ですが、薬による治療法はあくまで発作を起こりにくくするとか、または起ったときに止めるものであくまで対症療法です。

1)もしこのままでいるとどうなるかというご質問に対して。発作の頻度の多い人では予防薬(例えばワソラン)を服用することになりますが、予防薬でも完全に抑えきれずに発作の起こることもあります。発作は安静時や運動時にかかわらず期外収縮(不整脈の一種)や体にかかわるわずかな衝撃でいきなり始まるものです。自然に停止することもありますが、止まらなければその都度病院に行く必要が生じます。
2)子供さんをご希望のようですが、発作時には病院で止めてもらうつもりでいれば妊娠・分娩は可能です。しかし発作がいつ起こるかもしれないという不安を抱えて妊娠するよりもこの際アブレーションを受けておけばその心配は全く解消すると思うのですが。
3)痛みに弱いとありますが、この手技に伴う痛みというのはカテーテルを挿入する際に鼠径部に行う局所麻酔時の注射の痛みと、心臓に高周波を用いて通電するときの瞬間的な胸の痛みです。これをできるだけ軽くするために最近では静脈麻酔を行うところが多くなっています。しかしこの点に関しては実際にカテーテルアブレーションを受ける病院で十分に説明を聞いてもらう以外にありません。
4)発作時のデータのない病院でアブレーションをお願いすることは可能ですが、「発作性上室性頻脈(頻拍)症」という診断が明らかな場合には発作時の心電図(コピーで可)を持参された方がよろしいと思います。その方が受け入れ側として方針を立てやすく、診断を確かめるための余分な手間が省けます。
5)カテーテルアブレーションはどこの病院でもやっているわけではなく、不整脈専門医がいてしかも設備の整った病院でしかやっていません。

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