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右心室流出路起源心室頻拍ですぐにカテーテル治療をすすめられた

27歳 女性
2003年10月21日

半年ほど前、自分が不整脈になっていることに気づきました。
はじめは、週に数度しか起こらず、気にしていませんでしたが、だんだんひどくなり、階段昇降時、食事中?後、歩いている時、入浴時、トイレに行った時、寝ていて急に起き上がった時、不整脈が必ず起こるようになりました。
不整脈が長く続く時はひどく気分が悪くなりました。また、座っている時、歩いている時に不意にめまいが起こります。

先月、近所のクリニックを受診しました。そこで、心電図、レントゲン、採血、採尿、心臓エコーと、ホルター心電図を行いました。その結果、適切な治療が難しいということで、大学病院を紹介されました。

今月、大学病院に行きました。紹介状には、ホルター心電図で発作が起こっている時の30分くらいの資料が2枚同封されていました。
初診で、「発作を抑えるにはベータ遮断薬を飲むか、カテーテルアブレーションかふたつの方法がある。薬による治療は簡単に始められるが、妊娠している間は薬を飲めないし、薬には副作用もある。カテーテルは成功率80%で再発の可能性が10%あるが、成功すれば完全に治療できる」わたしのように「頻繁に発作が起こっていたり、将来子供を生んだりする予定がある場合は、カテーテル治療をしたほうがよい」と、カテーテルを勧められました。
先生の予定がいっぱいなので手術をするなら来月しかあいていない、それを逃すと更に先になってしまうので、一応来月に入院をする予定でどうでしょうと言われました。
「わたしの不整脈はすぐに手術しなければいけないほどひどいのでしょうか」と伺うと、「もっとひどい人はいらっしゃいますが、あまりよくない方に入ります」と言われました。
その診察が終わってから心電図、レントゲン、採血、採尿をし、薬(メインテート5 0.5錠。毎日朝食後1回)をいただきました。
薬を飲むと不整脈の発作は軽くなりましたが、朝、駅まで急いで走ったりすると10分くらい発作が続くことがありました。

そして、2度目の再診のとき心臓エコーをしてから、診察を受けました。レントゲンや血液検査に異常は見られず、心臓エコーでも奇形は見つからなかったそうですが、来月上旬にカテーテルを受ける予定です。

そこでご相談したいのは、
初診で、その病院で検査も何もしない段階で、病名が仮ですが決まり(2度目の再診時に正式となりました)、すぐカテーテルアブレーションをした方が良いと言われたことです。
紹介状とホルター心電図の30分程度の記録と話を聞くだけで、失礼ですが病状や病名はすぐわかるものなのでしょうか?
また、このサイトを検索していて再発したという文章を読み、せっかく手術をしても再発する可能性が高いのではないか?
入院予定日が近付いていますが、途中で病院が変わったりしたので、もういちど最初から新しい病院で検査をしてもらったほうがいいのではないか・・・とも不安が強くなるばかりです。

回答

1)右室流出路起源心室頻拍の診断について
右室流出路起源心室頻拍の診断は基本的に心電図でなされます。
頻拍中の心電図波型をみれば、ほとんどの場合正確に診断することができます。
2)右室流出路起源心室頻拍の治療について
器質的な基礎心疾患を伴わない例にみられる右室流出路起源心室頻拍の治療は、対症療法であればベータ遮断薬、根治を目指すのであればカテーテルアブレーションが一般的です。
突然死に結び付くほど重症度の高い不整脈ではありませんが、なるべく早く治療することが望ましいと思います。
自覚症状の強さや患者さんの希望にもよりますが、薬物治療は長期間行う必要があり、いつ中止したらよいかの的確な目安がないので、実際には途中で中止することがなかなか困難です。
一方、カテーテルアブレーションは根治療法ですので、成功すればその後の治療は不要になります。
3)カテーテルアブレーション後の再発の可能性について
右室流出路起源心室頻拍に対するカテーテルアブレーション治療は、すでに広く行われています。
治療の成功率は、ベータ遮断薬の奏功率よりは高いと思います。
再発する例もありますが、その多くは複数の起源を持つ例や、右室心筋症(ARVC)の早期の患者さんです。

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