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一般向けメールマガジン 第179号

HEART WEB NEWS No.179

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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第179号】2020年7月1日発行(月刊)
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【目次】
 トピック:スポーツで起こる心停止はAEDで救える!
 お知らせ:健康ハートの日 中止のお知らせ
 ドクターのつぶやき:創造的休暇
 ご寄附のお願い

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【トピック】

 スポーツで起こる心停止はAEDで救える!

 7月1日は「AEDの日」とされています(日本救急医療財団)。それは、2004年7月1日にAED(自動体外式除細動器)の市民の使用が認められたことに由来します。
 日本心臓財団でも、AEDと心肺蘇生に関するさまざまな普及活動を行っていますが、本年2月12日に開催した「健康ハート・シンポジウム」での三田村秀雄先生(日本AED財団理事長)の「スポーツにおける心臓病予防~心臓突然死を防げるか」より、スポーツの最中に起きた心停止を救う方法についてご紹介します。

 スポーツは健康にとって「クスリ」ですが、一方で「リスク」でもあります。スポーツで起こる心停止の予知は困難ですが、それでも救うことが可能です。
 AEDによる電気ショックは心停止から5分以内、とくにスポーツ施設や学校などでは3分以内が望ましいとされており、処置が1分遅れるごとに救命率は1割低下するといわれています。救急隊の到着までに8.7分かかるため、119番通報のみでは9%しか救命できません。一方で、2018年の統計では、市民のAED使用により、56%が救命されています。

 3分以内に電気ショックを行うためには、2分以内にAEDを取りに行き、残りの1分で電極貼り付けや解析充電などの作業を行わなければなりません。
 これは簡単ではありませんが、東京マラソンのように、モバイルAED隊が自転車でランナーと並走し、心停止の現場にすぐにAEDを届けられるように策を講じたことで、過去12回の大会で心停止を起こした11人全員が救命されているといった例もあります。

 こうしたことも踏まえ、日本循環器学会と日本AED財団では、「スポーツ現場における心臓突然死を0に」という提言を2018年に行いました。
 ポイントは、スポーツ時の心停止は「想定内」として、2分以内にとりに行ける距離にAEDを配置し、いつでも使用できるよう訓練しておくことです。

 スポーツは楽しいと同時に、安全が重要です。適切にAEDを準備することで、スポーツをより安全に楽しんでいただきたいと願っています。

 
 今月のトピックス「スポーツにおける心臓病予防~心臓突然死を防げるか」
 https://www.jhf.or.jp/topics/2020/008015/

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【オンラインAED救命&健康講習会】

日本AED財団では、ご自宅でできるオンラインAED救命&健康講習会を開催しています。ZOOMによるミーティングシステムに参加可能であれば、どなたでも参加可能です。
 事前申し込みが必要です。詳細はこちらをご覧の上、お申し込みください。
 https://aed-zaidan.jp/workshop.html

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【健康ハートの日 中止のお知らせ】

 毎年8月10日近辺に開催されております「健康ハートの日」イベントは、感染拡大予防の観点から、本年は、東京、金沢、岐阜、名古屋、豊橋での開催が中止となりました。
 
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【ドクターのつぶやき】
 
 創造的休暇

 この数か月はテレビも新聞、ネットも新型コロナ感染に関することばかりであり、大分食傷気味であるが、かといってコロナ以外の話をしても多くの人の関心を引くことは難しいであろう。そこでここではコロナに関するが少しでも明るい話をしたいと思う。

 非常事態宣言が出て以来、大学では活動制限指針レベル3となり、診療はかなり制限され、研究も原則中止、講義も会議もオンラインのみとなった。幸いクラウドコンピューティングを用いたweb会議サービスを使うことにより、100人以上が参加するオンライン講義や教授会も大きな問題なく行われているが、研究はほとんど止まってしまった。
 6月になりようやく活動制限レベルが2になり、診療に関しては徐々に戻りつつあるが、研究室への立ち入りは必要最小限とするように言われている。医学研究のうち、特に基礎研究では細胞やマウスを用いた、いわゆるウェットな実験を長時間行う必要があるため研究はほとんどできない状態である。

 今まで大学院生の研究の進捗状況を確認するためにリサーチミーティングを行っていたが、このような状況では研究が進むわけはないので、リサーチミーティングに変えてジャーナルクラブを始めた。ジャーナルクラブでは、優れた英文論文を紹介するだけでなく、いくつかの論文を読みこんで自分なりに考えた新しい仮説を発表してもらうことにした。私と40名余りの大学院生で日程調整し、ほぼ毎日1日あたり2,3名が行ったが、あらかじめ時間とテーマをメールで科内に回したところ、常に10名以上が視聴するバーチャルな"クラブ"となった。

 循環器内科医は内科医の中でもとりわけ多忙である。大学院生といえども、カテーテルや心エコーなどの多くの検査に入り、当直をすれば心筋梗塞や心不全患者の対応で夜もほとんど眠れない。したがって常に睡魔と戦いながら、また走りながら研究をすることになるが、今回のコロナのために皆時間ができた。私も、今回のようにゆっくりと論文を読み考えることができたのは留学時以来30年ぶりである。
 ニュートンが万有引力の基礎的概念を発見したのは、1665年ロンドンでペストが大流行し、ケンブリッジ大学が休校であった時であるが、コロナ流行のこの時が当科の教室員の「創造的休暇」となることを期待したい。(I.K.)

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