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一般向けメールマガジン 第167号

HEART WEB NEWS No.167

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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第167号】2019年7月2日発行(月刊)
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【目次】
 トピックス:心不全を知って、うまく付き合う
 お知らせ:まごまごするより、まず検診。
 イベント情報
 ドクターのつぶやき:身体の手当に大忙し
 ご寄附のお願い

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【トピックス】

 心不全を知って、うまく付き合う

 3月に横浜で第83回日本循環器学会学術集会市民公開講座「心臓病・血管病を予防して健康長寿」が開催されました。
 今回はその中から、心不全について筒井裕之先生(九州大学教授)がお話しされた内容をご紹介します。
 もっと詳しい内容は、当財団ホームページ、機関紙「季報」6月発行号をご覧ください。

 心臓は全身と肺に血液を送り出すポンプの役目をしています。1分間に80回、1日12万回、1年4,200万回、80歳まで生きた場合、一生で34億回、休むことなくはたらき続けます。これに対し、「心不全」は「心臓が止まる病気」と思われがちですが、日本循環器学会と日本心不全学会では、「心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」と定義しています。
「心臓が悪い」とは、心臓のポンプとしてのはたらきが低下していることを意味します。心臓は拡張と収縮を繰り返していますが、心不全の心臓は大きくなっていますし(心肥大と心拡大)、血液を取り入れたり、全身に送り出すといったポンプとしてのはたらきが悪くなります。
 こうした心臓の形や動きを見るために行うのが、心臓超音波(エコー)検査です。また、心不全になると、心臓から分泌されるホルモンの一種であるBNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が増えるため、血液検査でもわかります。
 
 心不全がなぜこわいのか、病気の経過をがんと比較してみます。日本人の死因第一位でもあるがんは重篤な病気ですが、大半の患者さんは一定の経過をたどって悪化していきます。つまり、経過が予測できます。しかし、心不全は急な悪化と回復を繰り返しながら、徐々に進行します。症状は改善しても、病気が治ったわけではなく、経過の予測はきわめて困難です。
 また、実際の心不全患者さんの生存率をみても、男性では前立腺がん、膀胱がん、大腸がん、女性では大腸がん、卵巣がんの生存率とほぼ同等であることが英国のデータから示されており、「生命を縮める」という意味では、がんと同じようにおそろしい病気といえます。

 心不全を防ぐにはどうしたらよいのでしょう。まず、その原因を知ることが大切です。高血圧、心筋梗塞、弁膜症、不整脈、心筋症、先天性心疾患などが原因として挙げられますが、もっとも多いのは高血圧に関連した心不全です。
 高血圧をはじめ、糖尿病や肥満、脂質異常症、喫煙習慣などがある段階、すなわち心不全への準備段階をステージA(生活習慣病)とすると、心肥大や心筋梗塞、心房細動がみられるステージB(心疾患)は、心不全予備軍としてさらに高リスクに位置づけられます。
 ステージAでは、生活習慣病の予防・治療が重要ですし、ステージBでは、原因となる心疾患を治療することが、心不全の予防につながります。

 心不全の治療では、重症度に応じて、さまざまな薬剤や埋め込み型除細動器(ICD)などの医療機器が用いられるほか、場合によっては手術、最終手段として心臓移植を行うこともあります。薬の量が多くなりやすく、自己管理が大変な病気ですが、生活習慣の改善や規則正しい服薬を、患者さんにしっかり行っていただきたいと思います。
 同時に、心不全はきちんと治療していても悪くなることがあります。定期的に病院で検査するだけではなく、毎日自分で体重や排尿、むくみなどのチェックを行い、気になることがあれば、早めに医師に相談しましょう。

 日本心不全学会では、心不全の病態や治療法、生活の注意点などについてまとめた『心不全手帳』(第2版)を作成しています。日本心不全学会のホームページからもご覧になれますので参考にしていただければと思います。
(http://www.asas.or.jp/jhfs/topics/shinhuzentecho.html)

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【お知らせ】

 まごまごするより、まず検診。(ACジャパン&日本心臓財団)

 今月よりテレビ、ラジオ、新聞広告を通じて、日本心臓財団の新しいACジャパンの支援キャンペーンが放送されています。
 岸部一徳さん演じるおじいさんが孫と遊んでいるうちに・・・
 高齢者の心不全を予防するため、とくに治療効果の高い弁膜症の早期発見と適切なタイミングでの治療を啓発しています。

 ACジャパンのキャンペーンの動画ページ(リンク)
 https://www.ad-c.or.jp/campaign/support/support_03.html

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【イベント情報】

★8月10日は健康ハートの日 健康ハートイベントのお知らせ★

 □■東京:健康ハートの日フェア

 日 時:2019年8月4日(日)10時~16時
 場 所:丸の内オアゾ1階〇〇広場
     JR「東京駅」丸の内北口すぐ

 内 容:体験コーナー
     血圧測定、動脈硬化測定、体脂肪測定
     携帯型心電計による心電図測定
     AED(自動体外式除細動器)体験
     医療相談・栄養相談
 参加費:無料
 共 催:日本心臓財団・日本循環器学会
 協 力:日本高血圧学会、オムロンヘルスケア(株)、フクダ電子(株)
      カリフォルニアくるみ協会

 □■金沢:ハートの日 市民公開講座
   「狭心症・心筋梗塞について」
 日 時:2019年8月10日(土)13時~17時30分
 場 所:ホテル金沢(2階ダイヤモンド)
 内 容:トーク「老いてゆく身の生きるしあわせ」御供田幸子(花幸会)
     「血管年齢」「頸動脈エコー」検査、模擬血管による血管形成術体験会、
     医療講座「狭心症・心筋梗塞について」、医療なんでも相談会、など
 参加費:無料
 主 催:金沢循環器病院(ハートの日実行委員会)
 後 援:日本心臓財団、金沢市、北國新聞社ほか

 □■第10回ハートの日 in GIFU
   「家族で心臓病を考える」

 日 時:2019年8月10日(土)10時~17時
 場 所:岐阜市文化産業交流センター じゅうろくプラザ
 内 容:講演会「心不全ってなに?」「者様に聞く 心不全体験談」
     夏休みこども病院体験
 参加費:無料
 主 催:ハートの日in GIFU実行委員会
共 催:日本心臓財団

 □■名古屋:第11回ハートの日

 日 時:2019年8月11日(日)10時~16時
 場 所:今池ガスビル7階、9階
 内 容:講演会「老いの生き方」「腸内細菌ってなあに!」
     「腸内細菌から心臓病・生活習慣病を考える」
     ハート健康教室(病院のお仕事体験、手術体験、健康チェック)

 □■豊橋:第20回ハートの日

 日 時:2019年8月11日(日)8時30分~15時30分
 場 所:ロワジールホテル豊橋 ホリデイホール
 内 容:健康テーマパーク・救急蘇生法講習会
     ハート講演会「がんばらない健康長寿実践塾」
 参加費:無料
 主 催:ハートの日実行委員会、共 催:日本心臓財団

 □■第6回京都ハートの日

 日 時:2019年8月11日(日) 14時~17時
 場 所:メルパルク京都 5階会議室
 内 容:講演「心臓リハビリテーションについて」
     講演「心臓血管病現在の対策」
     シンポジウム「心臓病予防のために」
 参加費:無料
 共 催:京都ハートの日実行委員会・日本心臓財団

 □■慈恵医大 心肺蘇生PUSHコース
 ~あなたの小さな勇気が大切な方の命を救います。~

 日時:2019年8月10日(土)13:30~15:00
 場所:東京慈恵会医科大学 高木2号館 地下1階 南講堂
 詳細は
 https://www.hosp.jikei.ac.jp/topics/seminar/2667.html

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【ドクターのつぶやき】
 
 身体の手当に大忙し

 医者は長命であるというのは、誤解である。過去には、外科医などはむしろ手術による感染症などで短命のことも多々あった。あるイギリスの著名な予防医学の教授は、65歳で定年になられ、そのあと牧師をされていたが、70歳になられる前に肝がんで亡くなられた。かつて外科医をされていたという。
 大学の同級生の1割くらいはもう既にこの世にいない。しかも、癌のみならず、難病を患っていたり、腎移植をした人もいる。私も難病を学生時代から患っていた1人であるが、若いときは、私よりひどい病気を持つ人が何人もでるとは予想していなかった。

 この7月で76歳の誕生日を迎えるが、さすがに最近は色々と具合が悪くなってきて、教え子の世代の医師にお世話になる事が多くなった。
 「待てーど暮らせど来ぬ人をー」ではないが、「待てど力めど来ぬ尿よ」で、これには閉口した。尿閉寸前になり、泌尿器科に駆け込み、何とか適切な薬の処方を得て一時は楽になったと思ったのであるが、また、徐々に具合が悪くなりつつあるようだ。講演の最中に尿意切迫すると困るなという不安感もある。尿が出にくい状態では、頻回に尿意を催すので、夜も何度となく目が覚めてトイレに行く。したがって、睡眠障害も生じる。尿漏れも起こる。
 ここ数年前から、目もすぐに疲れて見にくくなって来た。新聞は1時間もせぬうちに目がかすんで見えなくなる。永らく老眼鏡の度を合わせていないのでそのためだろうと勝手に考え、最近テレビで見かけるお尻で踏むめがね(宣伝の前から持っていた)を二重掛けして凌いでいた。しかし、先日、ついに意を決して眼科を受診してあれこれ調べて貰った。幸いにも緑内障はなく、白内障も軽度で老眼鏡の度が進んだことが原因かもしれないとのことであったので、とにかく、度数を調整したレンズに入れ替えることにした。これで目の疲れが解決すればいいのであるが、果たして期待どおりに行くかどうか?

 今のように健康保険もなく、医療が進歩していなかった昔は、お年寄りの皆さんどうされていたのかとつくづく思う。慌てふためきつつも、故障した身体の手当をすることができるのは、幸運な時代に生きているな、と感謝する日々である。(H.U.)

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 ○どなたでも100円からクレジットカードで寄附ができます
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 ○ソフトバンクのスマホをご利用の方は携帯料金と一緒にご寄附ができます
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