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一般向けメールマガジン 第156号

HEART WEB NEWS No.156

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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第156号】2018年9月4日発行(月刊)
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【目次】
 トピックス:心臓と塩
 お知らせ:心臓の「叫び」に気づいてください。
 イベント情報
 ドクターのつぶやき:高血圧にまつわるお話
 ご寄附のお願い

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【トピックス】

 心臓と塩

 8月10日の健康ハートの日を前にした8月1日、日本心臓財団とエドワーズライフサイエンスは協同で、心臓にやさしい食事「ハートレシピ」を発表しました。
 レシピの発表前に、「心臓と塩」というテーマで渡辺弘之先生(東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター長)のご講演がありましたので、紹介いたします。

 心臓病の大きな原因の一つに高血圧があります。高血圧患者さんは日本には現在約4300万人いますが、治療を受けている方は21%しかいません。
 65歳を超えると半数以上の方が高血圧になっていきます。血圧というのは心臓から全身に送り出された血液が血管の壁を押す時の圧力です。高血圧はポンプ本体である心臓に負担をかけます。無症状で進行し、突然、心不全、狭心症や心筋梗塞、不整脈や弁膜症が起こってきます。心臓だけでなく脳卒中や足の血管が詰まるなど全身に病気を発症させます。

 高血圧の予防には、生活習慣の改善、運動・食事・禁煙が重要です。
 高血圧には塩分が関連しています。塩分が高血圧を引き起こし、高血圧が心血管病を引き起こすだけでなく、最近は塩分が直接、心血管病を引き起こすというデータも出始めています。

 現在の日本人の塩分摂取量は一日約10グラムです。2015年の「日本人の食事摂取基準」(厚生労働省)では、男性8グラム、女性7グラムを目標にしています。この1グラムの差は食べる量の差です。日本高血圧学会や日本心臓財団は目標値6グラム未満を推奨しています。
 厳しいようですが、世界標準はWHO(世界保健機関)では5グラム未満を推奨していますし、アメリカ心臓学会(AHA)では2010年の段階で病気がある人は3.8グラム未満にしましょうとまで言っています。
 できることからやっていくことが大切で、少しずつでも実践しなければ意味がありませんが、日本人の減塩意識は世界のどこよりも低く、塩分が好きな国民であることを理解しておいてください。減塩は健康の鍵です。

 特に心不全患者さんではこの塩分制限が大切になっています。高血圧は血圧の高い分、強く血液を押し出さなければいけないので心臓に負担がかかるわけですが、心不全の場合、体液量を増やすこと自体が負担になってきます。食塩1グラムで体液が300mL貯まると言われています。つまり1グラムの食塩は体重を0.3キロ増やし、10グラムで体重が3キロ増加することになります。

 そしてこの塩分は、思わぬところにも入っています。たとえばパンには塩分が含まれています。6枚切りのパンにバターを塗ると、それだけで1グラムになってしまいます。食品そのものにも塩分が含まれていることを知っておいてください。
 また、カップ麺やスポーツ飲料には、塩分量がナトリウム表示されていますが、食塩量はナトリウムの2.5倍になります。カップ麺にナトリウム1.8グラムと表示されていたら、それは食塩4.5グラムということです。

 心臓を守るには、生活習慣が大切で、塩分管理は心臓病管理の中で最も重要です。ハートレシピで心臓を守り、健康寿命を延ばしてください。

 心臓にやさしい「ハートレシピ」
 http://www.jhf.or.jp/heart_recipe/

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【お知らせ】

 心臓の「叫び」に気づいてください。(ACジャパン&日本心臓財団)

 この7月から1年間、テレビ、ラジオ、新聞広告を通じて、日本心臓財団の新しいACジャパンの支援キャンペーンが放送されます。
今回も、ユニークな内容で、高齢者の心不全を予防するため、とくに治療効果の高い弁膜症の早期発見と適切なタイミングでの治療を啓発します。

 ACジャパンのキャンペーンの動画ページ(リンク)
 https://www.ad-c.or.jp/campaign/support/support_03.html

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【イベント情報】

 □■救急の日 2018

 日 時:2018年9月9日(日)11時~17時
 場 所:アクアシティお台場 3階 アクアアリーナ

 内 容:ステージイベント(13時より)
      日本赤十字社、日本AED財団(PUSHプロジェクト)
      心肺蘇生法講座
主 催:厚生労働省、総務省消防庁、日本救急医学会、日本救急医療財団


 □■旭川:第41回日本高血圧学会総会 市民公開講座

 日 時:2018年9月16日(日)14時~16時(受付開始 13:00~)
 場 所:旭川市民文化会館 大ホール
       JR旭川駅より徒歩15分(北海道旭川市7条通9丁目)

 内 容:<テーマ>
       健康寿命延伸は高血圧管理から
       ~さあ家庭で自分の血圧を測りましょう!~
      <講演1>
      「高血圧に負けない健康長寿のヒント」
      長谷部 直幸 先生
      旭川医科大学 内科学講座 循環・呼吸・神経病態内科学分野 教授
      <講演2>
      「さあ血圧を測りましょう。自分の血圧を知りましょう。」
      今井 潤 先生
      東北血圧管理協会 理事長/東北大学 名誉教授

 参加費:無料(当日参加OK)
 事前応募:http://www.mtoyou.jp/jsh41/citizen.html
 備 考:先着1000名にカゴメトマトジュース、野菜ジュースの無料プレゼントが
あります。
 共 催:日本高血圧学会、日本高血圧協会、オムロン ヘルスケア株式会社
 後 援:日本心臓財団

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【ドクターのつぶやき】
 
 高血圧にまつわるお話

 高血圧は、生活習慣病であり動脈硬化を促進して心臓病や脳出血などの脳血管障害を引き起こす怖い病気である。
 最近は健康に関する情報がメディアなどに広く取り上げられ、正しい理解が進んでいるように見受けられるが、中にはまだ高血圧について誤解や誤った持論を展開する人に時々お目にかかる。

 病院での血圧が144/82mmHgで今朝自宅での血圧は112/74mmHgだったので血圧が30mmHgも高くなったと診察室に入ってくるなり患者さんは心配する。薬が自分には合わないのではないか、放置すると脳出血を起こすのではないかと危惧する。そこで「血圧は体の活動に応じて20-30mmHgは変化します。病院に来てすぐには緊張で血圧が高くなるので、3-5分安静にして血圧を測り140/90mmHg以下であれば大丈夫ですよ」と伝えて、再度測定してやっと納得が得られる。
 自分の血圧に関心を持つことは良いことであるが、1回毎の値に一喜一憂しないことも大事である。血圧は常に一定ではなく、体の活動により血圧は変動することを理解してもらえればよいが、病院の自動血圧計は不正確と誤解されるのも困りものである。

 血圧は「年齢+90を超えなければ高血圧ではない」といまだに信じている患者さんに時に出くわす。特に高齢者に多いようである。現在では血圧が140/90mmHgを超えると高血圧であることを伝え、例え70歳であっても(90+70=160)、血圧が156/95mmHgは立派な高血圧症であり、将来心臓病や脳卒中を起こす危険を説明しても薬の服用を納得してくれないのである。

 毎年健康診断を受け、2年前から血圧が上昇し、今回は176/104mmHgと立派な高血圧症である。健康診断を毎年受けているところから判断すると健康には関心があると思われるので、なぜ薬を服用しないのか理由を聞くと、「血圧の薬はいったん飲み始めると一生飲まなければならない」という。「最近の薬は有効で副作用も少なく1日1回の服用で確実に血圧は下がり、食塩制限や定期的な運動を行うことで薬をやめることもできますよ」と説得しても決して薬の服用に応じてくれない。「血圧の薬は一生飲み続けなければならないので服用しない。自分で治す」と主張する患者さんは意外と多いのである。
 このような患者さんにたまに出くわすとどう対応してよいのかため息をつくばかりである。(M.H.)

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 日本心臓財団HEART WEB NEWS
 発行:日本心臓財団
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