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一般向けメールマガジン 第95号

HEART WEB NEWS No.95

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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第95号】2013年7月2日発行(月刊)
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【目次】

TOPICS「ペースメーカと日常のリスク」
イベント情報
 特別寄稿  上島弘嗣 滋賀医科大学生活習慣病予防センター特任教授
 ご寄附のお願い
 事務局便り

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TOPICS 【ペースメーカと日常のリスク】

 昨今、今後のペースメーカー装着患者に関する障害認定の見直しが検討され
ているようですが、現在、ペースメーカーを装着している患者さんたちの声を
聞くと、一見元気に生活しているようで、それぞれがさまざまな不安を抱えて
いることがわかります。
 日本心臓財団の支援する団体のひとつに日本心臓ペースメーカー友の会があ
り、全国から数多くのペースメーカー装着患者さんたちが参加し、循環器専門
医の協力による問題解決や、情報の発信を行っています。
 ペースメーカー装着患者さんたちには、装着後の動悸や胸などの痛み、本体
やリード線の感染症やリード断線による再手術の不安などのほか、日常生活に
おける電磁波等の影響に関する不安も常につきまといます。

 一時期、ペースメーカーへの携帯電話の電波の影響が社会問題となり、携帯
電話は装着位置から22センチ以上離して使用するという指針が総務省から出さ
れましたが、携帯電話の第二世代が昨年停波して第三世代となり、ペースメー
カー機器も進歩して、現在は、植込み型医療機器の電磁波の耐性試験に関する
国際規格から、15センチ程度離して使用するという指針に改められています。

 こうした進歩の一方で、社会の発展は新たなリスクを出現させてきます。そ
のひとつが電気自動車の急速充電器です。まだまだ新しいものですが、今後は
市中への設置が増えていくと思われます。ペースメーカー装着患者さんは、電
気自動車に乗っていなくても、この急速充電器には近づかないようにとの注意
が日本不整脈デバイス工業会から出ています。

 人間の命の鍵である心臓を小さな機械でコントロールしている患者さんたち
にとって、電磁気に溢れた便利な社会は、常に生命の不安がつきまとっている
ことを、健康な皆さんも理解していただきたいと思います。

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【イベント情報】

 □■8月10日は健康ハートの日
   「ハートの日・健康フェア 2013」(東京・新宿)

  ☆今年は8月10日の土曜日開催です。

 日 時:平成25年8月10日(土)10時~16時 ※受付は15時まで
 会 場:新宿高島屋 1階JR口 特設会場
 内 容:体験コーナー
      血圧測定、動脈硬化測定、体脂肪測定
      携帯型心電計による心電図測定
      AED(自動体外式除細動器)体験
     相談コーナー
      循環器専門医による医療・健康相談
      管理栄養士による栄養相談
 参加費:無料
 主 催:日本心臓財団


□■第14回8月10日はハートの日(豊橋)
  
 テーマ:がんにかからない食事
 日 時:2013年8月10日(土)8時80分~15時30分(講演会:13時~)
 会 場:ロワジールホテル豊橋
 内 容:食事・栄養相談室、救急蘇生法講習会(AEDの使い方)、
     心臓病相談室、歯周病相談室、ハートコンサート
     ハート講演会「がんにかからない食事とは」
 参加費:無料
 主 催:ハートの日実行委員会、共催:日本心臓財団、中日新聞社

 詳 細:http://heart-center.or.jp/jp/event/20130810.pdf


□■第5回 ハートの日 in GIFU(岐阜)
   テーマ:メタボコントロールとこころのケア

 日 時:2013年8月10日(土)11時30分~
 会 場:じゅうろくプラザ(岐阜駅前)
 内 容:栄養教室、運動教室、講演会、座談会
 参加費:無料
 詳細未定:http://blog.gifu-heart.jp/2013/06/post-8690.html


 □■第5回 ハートの日 in Nagoya(名古屋)
  
 日 時:2013年8月10日(土)
 会 場:名古屋国際会議場センチュリーホール
 詳細未定:http://nagoya.heart-center.or.jp/

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特別寄稿「コホート研究における因果関係の難しさ」

 病気の原因を明らかにすることは、予防対策を立てる上では必須と言っても
よい。その方法の中でなくてはならない研究のひとつに、コホート研究がある。
 コホート研究は、特定の地域の住民など、ある集団を長期に観察する研究で
ある。これは、血圧の高い人から脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患が起こり
やすいか、動脈硬化が進展しやすいかを明らかにするような時に行われる。

 わが国を含む世界各地の地道なコホート研究により、血圧と循環器疾患の間
に因果関係がありそうだとの確信が高まり、高血圧が循環器疾患を起こす主な
原因ならば、高血圧を治療すれば循環器疾患を予防・治療できるはずであると
の仮説が立てられた。
 この仮説をもとに、1960年代に世界で最初の二重遮蔽による無作為化対照試
験が米国で行われた。
 この試験方法は、本当の降圧薬を投与する群と偽の薬を投与する群に無作為
(ランダム)に振り分け、患者も医師も、どの患者が降圧薬を投与されている
のか、偽の薬を投与されているのか分からない状態で行い、両群の結果を比較
する介入試験である。両群間の条件は投与する薬以外同じになるので、数年後
の疾病の起こり方を比較することで、薬物の効果の有無が明らかになる。

 一方、コホート研究のような観察研究は、このように単純な比較はできない。
観察開始時に降圧薬を服用している人としていない人を調査し、追跡したとす
る。その後の循環器疾患の起こり方は、同じ血圧値であっても薬物を服用して
いる人のほうが疾病の起こり方は一般的には高い。
 この結果を単純に解釈して、「降圧薬は服用しないほうが危険度は低い」と
因果関係的に解釈してはならない。なぜなら、降圧薬は薬物治療が必要と医師
が判断した人なので、血圧が高く病気になる危険が高い人に投与している。そ
のため、薬物治療によりその人が病気になる危険度は低下していても、降圧薬
を服用していない人よりも危険度は高くても不思議ではない。

 観察研究は、介入試験とともに医学の重要な試験研究であるが、この例でも
わかるように、目に見える結果だけを比較して、隠れた因果関係に気づかない
と、誤った解釈をしてしまうことがある。心すべきと思っている。

上島 弘嗣
(滋賀医科大学生活習慣病予防センター特任教授)

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