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一般向けメールマガジン 第92号

HEART WEB NEWS No.92

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【日本心臓財団 HEART WEB NEWS 第92号】2013年4月1日発行(月刊)
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・現在、医療関係者とメディアには同じ情報をお送りしています。ご了承ください。

【目次】

 トピック【ハート・ナビ】
イベント情報
ドクターのつぶやき~着用型除細動器~
 ご寄附のお願い
 事務局便り

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トピック【ハート・ナビ】
                     
  先日、日本の循環器医による学術集会が横浜で開催され、日本心臓財団のブースでは、動く心臓模型「ハート・ナビ」(寄贈:フクダ電子、協力・企画・立案・開発元:NPO法人プロフェッショナル・ドクターズ・ネット)が展示されました。
 この模型は、実物大の心臓模型に空気を送り込むことにより、パソコン画面に映し出された心室頻拍、心室細動などの不整脈の波形に合わせて心臓の拍動状態を再現させることができます。
 展示会場では、AEDを使用するような場面を想定したプログラミングに合わせ、心室細動を起こした心臓がAEDによる電気ショックで心室細動が止まり、拍動が再開するといった一連の心臓の動きを再現しました。
 日本心臓財団では、医療関係者にこの模型を無料で貸し出しすることにより、医療現場での教育や講習会などのイベントに役立てていただく予定です。

*ハート・ナビはNPO法人プロフェッショナル・ドクターズ・ネットの商標です。

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【イベント情報】

 □■第6回呉市民ハートフォーラム
「心臓病からあなたと家族を守るために~メタボ撃退~」

  日時:2013年5月18日(土)13:00~16:00
会場:呉文化ホール
広島県呉市中央3-10-1
  共催:呉循環器病研究会、呉市医師会、呉市薬剤師会、ファイザー株式会社
  後援:日本心臓財団

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【ドクターのつぶやき~着用型除細動器】

  このほど、横浜で行なわれた学会は参会者2万人と称される大きな学会だった。沢山のさまざまな新知見の発表の中に、着用型除細動器(wearable cardioverter defibrillator)という報告が目について、聞きにいった。
 心機能が著しく低下した心筋梗塞では、急性期に心臓突然死が起りやすい。ことに心筋梗塞発作直後の1か月間は警戒が必要であるといわれている。植え込み型除細動器(ICD, implantable cardioverter defibrillator)を植え込むほどには頻度は高くなく、注意が必要なのは短い期間のことでもある。そこで、AEDを備えておいてはどうか、ということになるのであるが、AEDを使うためには第三者がいつも傍らにいなければならない。そのような現状にあって、独りでいても、発作が起れば自動的に除細動できるように、という趣旨で考案された除細動器であった。
 ライフベストとよばれる前開きのシャツの背に2列の大きな電極布が貼られていて、ベルトの位置に、前後左右、4箇所の心電図電極がある。2つの誘導で心電図を監視していて、心室細動を感知すると警報音が響く。このとき、ご本人に意識があれば誤作動であるということになるので、ご本人が自分で警報を解除する。電極は乾燥電極であり、細動を感知すると除細動電極の表面に伝導性のゼリーが自動的に流れ出てくるのだという。
 まだ、日本では用いられていないようであるが、アメリカではこの装置の有効性を評価し、問題点を探るための臨床治験が始まっているのだそうである。

  厄介なのは、一ヶ月間はいつもこの特殊なライフベストを着ていなければならないということである。入浴中はどうするのか、誤作動の場合の解除を円滑に行なうことができるか、など、心配すれば、際限がない。危険性が高い人に、危険性が高い時期だけ、AEDによる監視を補完する形で使用するものなのだ、ということなのであろう。
 突然死を注意しなければならないとわかっている人がいたとき、これを絶対に突然死はさせない、という関係者の熱意というか、執念が伝わってくるような発明だった。これが、これからさらに、どんな形に発展していくのか、が注目される。いつかは、こうした熱意が実って、思いも寄らないときに起るといわれてきた心臓突然死がみられなくなる時代がくるかも知れない。そういう期待をもたされた工夫だった。(T,S.)

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【ご寄附のお願い】

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 カード決済になりますが、こちらのほうが便利な方はぜひご利用のうえ、ご寄附をいただけますと幸いです。なおご寄附につきましてその金額は問いません。
 また当財団への寄附は税制上の優遇措置が受けられます。なにとぞ宜しくお願いいたします。

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【事務局便り】
 
  横浜で開催された第77回日本循環器学会学術集会では「市民公開講座」として生活習慣病対策のコツとなるお話を、齋藤康先生(千葉大学長)を座長にお迎えし、様々な角度から5名の著名な先生方より伺い、パネルディスカッションが行われました。
 
 今回800名を超える来場者があり、熱心にお話に耳を傾けていただき、メモをとられる様子もいたるところで見受けられました。この度の学会長水野杏一先生(日本医科大学医学部長)からご挨拶のあと、中村治雄先生(防衛医科大学校名誉教授)から食生活の注意点、下村伊一郎先生(大阪大学医学部教授)から肥満対策、藤田敏郎先生(東京大学名誉教授)から塩分摂取について、河盛隆造先生(順天堂大学特任教授)から糖尿病対策、そして寺本民生先生(帝京大学医学部長)から動脈硬化予防について一般市民にも分かり易くご説明いただきました。市民にとって身近に抱える病気に関わる話題ばかりで、丁寧に、理解しやすく工夫していただいたお話がどれも評判でした。今回あらためてお医者様を身近に感じることができた、市民の方々との絶好のチャンスでもあったようです。主催者側の一団体として日本の医療を誇りに思うとともに、このような機会がますます増えることを念願してやみません。今回の市民公開講座にご参加いただけなかった方々はぜひ今月下旬発行の朝日新聞掲載記事をお読みください。(K.N.)

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