家庭用心電計を上手に利用しよう

監修:小沢友紀雄(MJG心血管研究所所長)

測した結果はどうするのですか

予防的に自分で管理するときには、得られた成績のコメントを参考に自分で医療機関に行くかどうかを決めます。
ただし、いつでも、どこでも、だれでも簡単に計測できる家庭用心電計ですが、日常での計測結果を医師に見せるときに、ひとつ問題があります。

現在、日本の医療はパンク寸前と言われています。そのパンク寸前の繁忙な医師にとって、多くの心電図の波形を読み取ることは、かなりの労力が必要になるのです。
そのことを理解し、協力する気持ちをお願いしたいと思います。
主治医がいるときには、先生に相談して、了解を得た上で記録を取って診ていただくのが一番です。

上手な活用法として、下記のような表に自動解析の結果を記入していただくとよいと思います。たとえば、カードガード社製のものでは、G0~G5,GNに分類して、G0は「異常なし」、G3は「注意すべき所見あり」で、GNは「ノイズが多く判定不可で記録し直し」などと自動判定しています。オムロン社製ではAが「異常なし」に相当します。

例)
年月日 10年1月17日 10年1月18日 10年1月19日 10年1月20日 10年1月21日
時間 09:00 09:00 09:00 09:00 09:00
判定 G0 G0 G3 G0 G3

一般的にどの機種でも、「異常なし」の判定が出た場合は、ほとんど問題がないと考えていだたいてよいと思われます。それ以外の異常の判定では医師にみてもらう必要がありますが、ノイズが多いと誤った解析結果となるので、きれいな心電図の記録をとるように心がけてください。

そして、記録を保存しておくと、後で記録したものとの比較ができるので、異常の発見や経過観察に重要な情報が提供されます。たとえば不整脈の患者さんに上記のような表を記載してもらっておくと、不整脈の増減の経過がそこから読み取ることができます。

また、動悸など胸に異常を感じて計測した結果であれば、医療機関に持って行って、そのときの状況を説明しながら先生に見せてください。医師には貴重な情報となるでしょう。

図2,3に記録した心電図の実例を示します。

図2
図2 発作性上室頻拍の心電図
図3
図3 頻発する心室期外収縮の心電図
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