Q&A

- Q:「プレコンセプションカウンセリング/プレコンセプションケア外来(プレコン外来)」にはいつ行ったらいいですか?
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A:それぞれのライフステージの中で、どのタイミングでもカウンセリングを受けて頂くことができます。個々のタイミングによって話す内容や重みづけ等は変わりますので、カウンセリングは何度受けて頂いても構いません。心臓の病気の状態に変化があったり、服用されている薬が変わっていたり、またカウンセリング側で新たな知見が加われば、初回のカウンセリングの内容からアップデートされる可能性もあります。
具体的に妊娠を考えていない段階でも、生活習慣の見直し、ワクチン接種、月経のこと、また個々の生活環境や性格などを十分に配慮し、性感染症の予防や避妊方法などを含めてご相談いただけます。つまり、「妊娠を考えていなくても来ていい場所」であり、安心して将来のための準備を始められる外来です。
- Q:「プレコン外来」を一人で受診することはできますか?
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おひとりで受診していただけます。ご自身の身体のことを、ゆっくり相談したいときも安心してお越しください。
ただ、心臓病をお持ちの方の場合は、パートナーの方も一緒にお話を聞いて頂くことをお勧めしています。妊娠・出産、そして育児はお母さん一人で担うものではなく、家族全体で協力していくことが大切だからです。パートナーが一緒にカウンセリングを受けることで、妊娠や出産に伴うリスクや必要なサポートを共有でき、安心して準備を進めることができます。
- Q:子どもの時に心臓の手術を受けました。高校生まで通院していましたが、もう通院しなくて大丈夫と担当医師から言われて、今は通院していません。妊娠・出産の際に、何か気をつけることはあるのでしょうか
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A:心臓病をお持ちの方の多くが、妊娠・出産において大きな合併症なく乗り越えられます。ただし、妊娠・出産は妊娠前の日常生活とは異なり、特に心臓には大きな負担がかかります。子どもの頃に手術を受け、しばらく通院していなかった方でも、妊娠を考える前に一度、心臓の状態を確認することが大切です。症状がなくても、妊娠中や出産時の負担によって思いがけない合併症が起こる場合があるからです。
- Q:子どもに心臓の病気が遺伝しないでしょうか?
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A:うまれつきの心臓病(先天性心疾患)をもつ赤ちゃんが生まれる頻度は約1%です。その多くは原因がはっきりせず、いくつもの要因が重なって起こる「多因子遺伝」によるものです。
一方で、お母さん自身が先天性心疾患をお持ちの場合、生まれてくるお子さんが心臓病を持つ可能性は3~5%と報告されています。中には、マルファン症候群や先天性QT延長症候群など、遺伝の仕組みが明らかになっている病気もあります。こうした背景を踏まえて妊娠前からリスクを丁寧に説明し、必要に応じて遺伝カウンセリングや出生前診断などをご案内しています。
心配なことがあれば、ぜひ一度ご相談ください。
- Q:心臓の病気があり、循環器の医師から薬を処方されています。妊娠した時にお腹の赤ちゃんへの影響が心配です。
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A:心臓の病気をもつ女性では、服用されている薬を妊娠した場合にどうするか、妊娠前から計画を立てることが大切です。妊娠中の薬剤使用においては、お母さんとお腹の中の赤ちゃんの双方にとっての「有効性」と「リスク」のバランスを考えながら判断していきます。
必要な薬剤を、自己判断で中止することはお母さんとお腹の赤ちゃんにとって悪影響となる可能性があります。その一方で、お腹の赤ちゃんに対する薬の影響をお母さんは不安に思うこともあると思います。十分なカウンセリングを受けて頂くことが大切です。
国立成育医療センターに設置されている「妊娠と薬情報センター」には、妊娠中だけでなく、妊娠前から患者さんである女性自身が相談を申し込むことができます。