心臓病をお持ちの方へ -安心して妊娠・出産を迎えるために

~プレコンセプションカウンセリング(妊娠前カウンセリング)のすすめ
榊原記念病院 産婦人科 堀内 縁
国立循環器病研究センター 産婦人科 神谷 千津子
宮崎大学医学部 産婦人科 桂木 真司

出産時の変化

xf3055179291e.png 出産の時、女性の体にはとても大きな変化が起こります。子宮に流れていた血液が、陣痛(子宮の収縮)ごとに、心臓に還ってきます。心臓は普段よりも速く強く動き、多くの血液を送り出す必要があります。赤ちゃんがうまれる直前には1回の陣痛で300~500mLの血液が心臓に還るとされています。それが数時間続きますので、心臓には大きな負担となります。しかしながら、帝王切開による出産においても、子宮から心臓に一気に血液が還ってきますし、血栓のリスクなどが上がるという側面もあります。
心臓の病気をお持ちだからといって、帝王切開術で出産しなければならないとは限りません。必要な場合には麻酔を併用し痛みを和らげる「無痛分娩(和痛分娩)」を行うこともあります。施設ごとに、お母さんと赤ちゃんにとって一番安全と思われる方法で、出産をすることが大切です。プレコンセプションカウンセリング時に、分娩方法や麻酔方法についての話を聞かれるのも良いでしょう。
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