出産時の変化
出産の時、女性の体にはとても大きな変化が起こります。子宮に流れていた血液が、陣痛(子宮の収縮)ごとに、心臓に還ってきます。心臓は普段よりも速く強く動き、多くの血液を送り出す必要があります。赤ちゃんがうまれる直前には1回の陣痛で300~500mLの血液が心臓に還るとされています。それが数時間続きますので、心臓には大きな負担となります。しかしながら、帝王切開による出産においても、子宮から心臓に一気に血液が還ってきますし、血栓のリスクなどが上がるという側面もあります。心臓の病気をお持ちだからといって、帝王切開術で出産しなければならないとは限りません。必要な場合には麻酔を併用し痛みを和らげる「無痛分娩(和痛分娩)」を行うこともあります。施設ごとに、お母さんと赤ちゃんにとって一番安全と思われる方法で、出産をすることが大切です。プレコンセプションカウンセリング時に、分娩方法や麻酔方法についての話を聞かれるのも良いでしょう。

