心臓手術を乗り越えるための3条件
	
	名古屋ハートセンター心臓血管外科部長 北村 英樹
	
	手術を乗り越えるための条件は3つであり厳しくありません。
	 
	①深呼吸ができて、      ②食事ができて、       ③歩ける 
	
	これらができる患者様は手術を乗り越えられる、と考えています。
	

 なぜ、この3条件なのか?
	
	①深呼吸ができる
	   なぜ、この3条件なのか?
	
	①深呼吸ができる
	  
	- 
		人は寝ていると、肝臓や腸管などの内臓で肺が圧迫され、肺の動きが制限されるため肺が縮んでしまいます。息を吸う際にお腹を膨らます“腹式呼吸”を意識し、口をすぼめて吐く練習をします。呼吸練習器具を使えば更に効果が増します。また、首や肩をストレッチしておきましょう。この深呼吸練習で術後の合併症が15%下がります。
		
 
	②食事ができる
	- 
		食べることが出来ないと、全身・傷の回復が遅くなり、免疫力が下がってしまいます。食事は、塩分控えめで、たんぱく質を多く採るよう心がけてください。特に鳥(ササミ)や魚(マグロ・カツオ)がお勧めです。
		
 
	③歩ける 
	- 
		歩けないと、肺は縮んだままとなり、腸の動きも悪くなり食欲が出ません。
 歩く練習は、20分以上を目標に歩きましょう。スピード・程度は、人と会話ができる状態がひとつの目安です。また、可能であれば、爪先立ちやスクワットも効果的です。歩くことが難しい場合には、椅子に座って、もも上げやひざ伸ばしをすることで、足の筋肉を鍛えることができます。
 
 
	

	     
	
	 
	
	
	
	
	
	
	
	
	
	
	
	
	
	                
	       
	      
	            呼吸練習器具
	 
	
	歩くための筋肉の鍛え方
	
	
	

	2014.1.15掲載