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疾患別解説

冠動脈完全閉塞の治療法

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.4527

57歳、 男性: 心筋梗塞

ずっとみぞおちが痛いので、病院で検査をしてもらった結果、冠動脈が詰まっていることがわかりました。心臓エコーで片方の心臓の動きがかなりゆっくりでした。

県内の大きな病院で、検査を行いその後、右、左冠動脈のカテーテル治療を行いました。
最初100%詰まっている右冠動脈(ちょろちょろと細いバイパスが自然にできているので、壊死はしていないと思うとのことでした)を治療し、2方向から掘り進んで開通させるわけだったのですが、どうしても開通することができず、方針転換をして左冠動脈2本に何個かのステントを入れ治療を行いこちらは成功ということでした。

3ヶ月過ぎてから再度右冠動脈の手術をすることになっており、そろそろその期となっております。
主治医から今度うまくいかなかったら、バイパス手術と言われましたが、当初からバイパス手術はしたくないと思っており、2回もカテーテル治療して、また手術をしたくはありません。

最近、ロータブレーター治療をテレビで見ました。バイパス手術をしたくない私の場合、100%詰まっている右冠動脈を開通させる方法は、ロータブレーター治療が可能でしょうか。
ロータブレーター治療の危険性、有効性などはどうなのでしょうか。

日本心臓財団からの回答

冠動脈のカテーテル治療は術者の経験を必要とする治療法です。特に完全に閉塞した冠動脈に対する治療は難易度の高い治療で、ガイドワイヤーと呼ばれる細いワイヤーを用いて閉塞部を通過させ、それに沿ってバルーンカテーテルを進めて閉塞部を拡張します。しかし長い期間閉塞していた冠動脈は硬く、ガイドワイヤーを通過させることが容易ではなく、術者にはきわめて高い熟練を要します。閉塞部位を両方向からガイドワイヤーを通す手法が最近開発されましたが、これが可能な施設は限られています。その意味であなたが治療を受けられた施設の治療レベルは高いと言えます。
ロータブレーターに期待されているようですが、ロータブレーターもガイドワイヤーに沿って挿入して血管の閉塞部を拡張する器具ですので、ガイドワイヤーが通過しなければ使用できませんし、閉塞した病変ではその効果も限定され、ロータブレーターは万能ではありません。ロータブレーターを使用できる施設は限られていますが、治療を受けられた施設でも使用は可能なのではないでしょうか。
左冠動脈の狭窄部が治療されていれば、右冠動脈が閉塞していても薬物治療で症状をなくすことが多くの場合は可能だと思います。その意味で、左冠動脈に再狭窄がないことを確認することが重要だと思います。
ただ薬物治療でも症状が取れない場合は、冠動脈バイパス術を考慮する必要があるかも知れません。また今回の左冠動脈の治療が成功していても、再び左冠動脈の別の場所が狭くなる可能性は少なくありませんので、糖尿病、高脂血症、高血圧などの冠危険因子があれば治療をすることが重要です。多くは生活習慣病と呼ばれるものですから、薬物治療を続けると同時に、主治医の指導に従い生活習慣を改善することが大切です。

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2006年10月29日

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