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第4回日本心臓財団メディアワークショップ「高血圧診療のピットホール:家庭血圧に基づいた高血圧の管理」

睡眠時無呼吸症候群の自覚症状と睡眠不足

会場:睡眠時無呼吸症候群といびきの関係について教えていただけませんか?
苅尾氏:無呼吸になり、再び呼吸するときにいびきをかくといわれています。
会場:睡眠時無呼吸症候群というのは診察ですぐにわかりますか?
苅尾氏:自覚症状も他覚症状もない人が多いのでなかなかわかりません。よく聞くのは、昼間の眠気や、朝方の頭痛、目覚めの悪さ、そして夜中に目が覚めるということです。目覚めたときに息苦しい症状が出た人は睡眠時無呼吸症候群の可能性があるかもしれません。
会場:睡眠不足は高血圧症、もしくは心臓発作や脳卒中のリスクになるというデータはありますか?
苅尾氏:寝られない状況にすると交感神経系が緊張して自律神経の交感神経が優位になったり炎症マーカーも上がってきたり、また神経内分泌因子、レニン・アンジオテンシン系なども活性化されたりすることから、心臓発作や脳卒中の背景となる病態を引き起こすことが知られています。つまり、きちんと寝ることは大事だということです。

家庭血圧はいつ測る?

会場:診察のときに持っていく家庭での血圧値は、1日に何回測るのか、どの時間帯に測ればいいのか教えてください。
苅尾氏:起床後1時間以内と就寝前の2回測定してください。
会場:お話に出たモーニングサージは起床直後が非常に高いということを考えると、起床1時間後にはモーニングサージの時期を過ぎていませんか?
苅尾氏:家庭血圧というのはあくまでも安静時に測定して、安静時血圧の指標になればいいのです。実際にどのタイミングで測定したらいいかということは非常に難しいことで、よく見てみると、24時間で血圧を測定すると起床直後よりも30分から1時間後くらいのほうが高いことがほとんどです。
会場:心拍数も心臓病のリスクになりますか? 苅尾氏:心拍数が高いということもリスクになります。朝と夜の心拍数の差は気にすることはありませんが、朝夕の平均値が高いということ自体はリスクになると考えられます。

24時間の血圧コントロールのために

会場:朝、自分で血圧を測定すると朝に血圧が上がっているかどうかわかりますが、夜寝ている間、自分が高血圧であるかどうか分かりません。どのように判断すればいいのでしょうか?
苅尾氏:なかなか夜寝ている間の血圧を測れないことが今一番のネックです。朝の血圧が高いときには夜の血圧も高い可能性がありますが、実際には24時間測定しないとわかりません。今、家庭で夜間に安定して血圧を測定できる血圧計のプログラムを開発中です。
会場:その、開発中の血圧計のプログラムは朝夕長時間持続してモニターできますか?
苅尾氏:できるようになると思います。
会場:それが今の家庭用血圧計みたいに手ごろな値段で購入できますか?
苅尾氏:少し高くなるのではないでしょうか。自分で血圧値を記録できない高齢者の方が大勢いますが、現在開発中の家庭用血圧計のプログラムは、測定の負担を減らせる方向で考えています。アンケートによると、高血圧の患者さんのうち家庭で血圧を測定している人は1/4程度しかいま せん。家庭血圧があまり臨床に活用されていないことがわかります。
会場:実地医家の先生でABPM(24時間携帯血圧計)を用いた測定はどのくらいされているのでしょうか?
苅尾氏:保険が適用されていませんし、機械を購入すると20万円くらいしてしまうので、この重要性を理解してもらった先生や、循環器の専門の先生にしか利用されていないというのが現状です。今後、ABPMに加えて、リスクの高い患者さんのために家庭用血圧計に夜間測定機能を付けて普及させていきたいと考えています。

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 この心臓財団メディアワークショップも今回で4回目になります。今日は私自身非常に興味深く聞かせていただきました。私も血圧が高いので薬を飲んでいますけど、そういえば血圧をしばらく測った覚えがなく、白衣高血圧というものの中には、(私たち医師が)白衣を着たときに血圧が上がる症状も入るのかなと思ったりしながら非常に勉強させていただきました。皆さんはいかがでしたでしょうか。また、5回目も皆さんのご興味が高いものを企画したいと思っていますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。本日はお忙しい中お集まりいただきまして本当にありがとうございました。


【目次】
開会挨拶・座長挨拶
「早朝高血圧からパーフェクトな24時間の血圧管理へ」
質疑応答・閉会挨拶
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