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疾患別解説

マルファン症候群の診断

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.7828

29歳、 女性:

骨格的症状からマルファン症候群を疑っていましたが、先日の循環器系検査で、軽度の僧帽弁逆流と大動脈の拡張(46ミリくらい)がみられるとの結果でした。医師の話では、家族歴や眼症状がないため、マルファンとは言い切れない、年1回の検査で大丈夫とのことでした。
もしマルファンであれば、50ミリ以下でも手術適応になると聞いたことがあります。有効な検査方法を教えてください。
日本心臓財団からの回答
マルファン症候群は細胞や組織を支える結合織がしなやかな、あるいはゆるいのを特徴とする遺伝性疾患で、日本には約2万人の患者さんが罹患していると推測されています。現在マルファン症候群の診断は多分に経験的なものに頼っていますが、ゲントの基準に沿って診断するのが最も合理的と考えられます。簡単に言いますと1)大動脈の拡張あるいは解離、2)水晶体の脱臼などの眼症状それに3)家族(遺伝)歴の3項目のうち、2項目が存在すれば、先ず確定診断と言えます。
このことからもおわかりのように眼症状のないマルファンの方も少なくありません。家族歴は多くの場合、あいまいで信頼性に欠けます。これを補強するために最近では遺伝子解析が導入されています。
通常の胸部大動脈瘤は経過や形にもよりますが、55mmほどになると手術適応となります。しかしマルファン症候群の場合は大動脈基部(バルサルバ洞)の直径が45mmを超えますと、特に若い方では多くの場合で進行するのがほぼ確実ですから、事故が起きる前に早めに手術をお勧めしています。大手術ではありますが、それだけの技術が進歩しているという裏付けもあるからです。
 以上のことから、この方の場合は漫然と経過を見るのではなく、マルファン症候群あるいはその類縁疾患かどうかの診断をつけることが大切です。症状だけでは診断は困難なことがありますが、本症はフィブリリンというタンパクの設計図である遺伝子の変異によって生じることがわかっていますので、その遺伝子解析によって変異が見つかれば診断は確実です。この検査を日常的に行っているのは関東では東大病院のマルファン外来と関西では国立循環器病研究センターです。
検査が煩雑なため結果が出るのに時間がかかりますが、無料でおこなっています。
また現在、何らかの治療をお受けになっているかどうかが不明ですが、大動脈の拡張速度を遅延させる可能性のある薬物をできるだけ早期に服用することも重要です。

2013年4月 4日

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