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疾患別解説

フォンタン手術後の心房性不整脈

日本心臓財団に寄せられたご相談

num.4381

29歳、 男性: フォンタン手術後の洞機能不全

三尖弁閉鎖で成人期フォンタン手術退院直後、安静時に徐脈、息苦しさがあり、洞機能不全と診断されました。頻脈はありません。
今まで不整脈はなく、手術入院中も医師から指摘はありませんでした。
徐脈性不整脈と開窓型フォンタン手術(心外導管)との関連はどのようにあるのでしょうか。万一の場合、フォンタン患者のペースメーカ装着手術の方法と危険性などについて、お教えください。

日本心臓財団からの回答

フォンタン型手術は1971年に初めて報告されて以来、三尖弁閉鎖症や単心室症など数多くの複雑心疾患に対する機能的根治手術として世界中で行われてきた手術です。時代とともに術式に改良が加えられてきましたが、大きく分けて心耳-肺動脈吻合、心内導管型手術心外導管型手術が挙げられます。
当初は心耳-肺動脈吻合が行われていましたが、この術式は心房に高い圧がかかるため、術後遠隔期の心房性不整脈が問題となりました。1980年代から、良好な血行動態、心房性不整脈の軽減、術式の簡略化等を目的として心内導管型手術心外導管型手術が主流となってきました。
これらの術式の改良によりフォンタン型手術後の心房性不整脈の発生頻度は低下しましたが、完全に不整脈の発生を予防できるようになったわけではありません。心房の圧負荷が少なく、心房内に縫合線がない心外導管型手術においても、術後心房性不整脈は発生します。比較的稀な合併症であり、原因は不明です。
術式別に術後不整脈の発生頻度を調べた報告は少なく正確な数字はわかりませんが、心外導管型手術の場合、頻脈性不整脈も含めた心房性不整脈の発生頻度は5?15%とする報告が多いようです。他の術式と較べて心外導管型手術のほうが心房性不整脈の発生頻度は低いとする報告が多いようです。
フォンタン型手術後の患者さんにペースメーカを植え込む場合、解剖学的な制約から、経静脈性(血管の中を通して電極を心臓内に挿入する方法、成人の場合は局所麻酔で施行可能)に心内膜電極を挿入することができないので、左開胸あるいは胸骨正中切開で心臓の表面から心筋電極を装着する必要があります。つまり全身麻酔による開胸手術が必要ということになります。危険性はそれほど高くありませんが、経静脈性の場合と同様に出血、感染、ペーシング不全やセンシング不全などの合併症が起こりえます。

2006年9月 4日

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