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日本心臓財団刊行物

ドクターのつぶやき

ドクターのつぶやき-AED篇-

AEDのある安心感

aed01.jpg 愛知万博会場で、AED(自動除細動器)を用いて心肺停止となった男性を助けたのは医大の学生であったことがわかったと新聞が報じていた。実は日本心臓財団が毎年ハートの日に行っている東京駅八重州口の健康フェアの会場でも、今年、事件があった。会場近くの通路で、家族連れの30歳代後半の女性がバッタリ倒れたのである。意識を失って仰臥けに倒れていたが、脈はしっかりしていた。すぐに意識は戻り、会場のベッドでしばらく休んだ後、東京駅の救急室に移り、結局、病院に搬送されたようであった。会場では丁度、AEDのデモを用意していた。AEDで人が救えるという緊張感が一瞬、あった。しかし、使うまでもなく、助かったという喜びは大きかった。AEDがあったから、慌てなかった、適切に対応できた、安心しておれた、と思えたのであった。
(2005年9月号掲載)

区の施設にAEDを設置

aedkorakuen.jpg 平成17年12月の世田谷区報に、区の施設24カ所にAEDを設置した旨が報じられていた。区役所や出張所、区民会館、福祉センター、美術館など、不特定の多くの人の集まるところに設置されたようであった。保健所に置かれたブースの写真と操作方法の図解を添える記事には「安全・安心のまち せたがや」の実現に向けてご協力をお願いしますと書かれてあった。
 AED24台とすると、ブース費用はどれほどかわからないが、総額で1,000万円ほどの投資となったものであろう。維持経費は電池の取替えだけである。世田谷区の人口は72万人である。統計的に年間200ないし300人が突然死しているはずである。訴訟社会が到来しつつある。失わなくてよい命を失うことがあれば、AED設置の有無が行政責任として争われることになる。もっとも、訴えられないために設置する、というのではなくて、これによって一人でも助かる命は助かってほしい、というのが切実な気持である。

(未掲載)

AEDに関心をもつ人

  aed810.jpg ハートの日、心臓財団の健康相談の日、AEDの展示に熱心に見入るお年寄りがいた。補聴器をつけたかなり年配のご婦人だった。道路に倒れて動けないでいる人をみたとき、まず、耳元で声をかける、とインストラクターに説明されると、それに倣って、自分も声を出してみている。近くの人に救急車を呼んでもらい、また、AEDをもってきてもらう、その間、心臓マッサージをする。このように教えられている間、自分でも体重をかけて心臓マッサージをしていた。教える方の熱意には感心したが、このお年寄りの熱心さには敬服した。老人ホームにでも勤務する方かと思い、終わった後で、聞いてみたが、普通の主婦である、という答えだった。最近、AEDを見、聞くことがしばしばあるので、どのようなものかを体験してみたかったのだそうであった。
 入れ替わり、立ち替わりの皆さんに、何度も飽きることなく、同じ説明を繰り返していた担当職員には心からの敬意を表したい気持ちであった。そして、これに応えて、このように関心をもつ人が一人でも増えることが万が一の際の対応の成功率を高めるのであろうと思った。

(2007年10月号掲載)

AEDの普及

  aed_setti.jpg ある研究会では、年毎の救急救命や心臓性突然死に関する新聞報道の切り抜きが配られている。今回、配布された資料の中から、AEDに関する記事を抜き書きしてみた。
 「AED全県立学校に配置完了」という記事があった。青森県である。これに伴って、先生たちが生徒たちに先駆けて使用方法を学び始めている。「やはり実際にふれてみないと判らないと思った」などの話が紹介されている。
  「AED設置場所ひと目で」という見出しは沖縄の新聞である。県内293か所のAED設置場所を県警の通信指令システムに登録し、問い合わせに即座に指示できる態勢となっているという。
  「県内市町村AED導入予算化9割」というのは茨城である。茨城新聞社が県内44市町村に照会したところ、予算化していないのは4市2町だけであった。設置とともに自治体職員への講習も活発化している。
  広島ではAEDを搭載した清涼飲料水の自動販売機が設置されたという。
  大阪では野球の打球を受けた二人の選手があって、一人はAEDで救命、他の一人は死亡するという事故があった。府内では全府立高校の授業にAEDの扱い方の講習を取り入れている。
  千葉市、名古屋市でのAED普及、講習活動の状況もつづけて報じられていた。
 全国の国立私立学校・幼稚園でのAED普及率は現在25%、平成20年内には40%になるであろうといわれている。突然死からの蘇生率が7倍になったという記事もある。突然死は事故死である。天寿を全うしての尋常な生命の終りではない。突然死はあってはならない。
  こうしたニュースはAED普及活動に尽力してきた日本心臓財団にとっては嬉しいことであった。 

(2008年6月号掲載)

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