疾患別解説

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3型の大動脈解離における状態管理

66歳 男性
2005年6月27日

父の件ですが、背中の激痛を訴え、病院に救急車で運ばれ、すぐに検査を実施し、別の大きな県立病院に搬送されました。結果は、DeBakey3B型の大動脈解離でありました。先生のお話では元々大動脈瘤があり(元々の血管が4cm程度)その上、解離で総径5.0cmまでふくらんでいるとのことでした。

その後、ICUで血圧管理と安静状態。それから個室にて安静状態。食事あり。そしてトイレは自力でOK。というような経過でした。

しかし、数日前のCT検査の結果、血管が多少ふくらんできているとのことで、「もう一度最初からやり直し(食事無し、点滴、ベッド上安静状態)」になってしまいました。

本人は、良くなっているとのことで検査結果を非常に楽しみにしていたのですが、残念な結果になりました。そこで、質問です。

1)現在は動脈の径が5.7cmになっているとのことでしたが、「再度安静状態のやり直し」という判断が正しいのか?
2)医者の説明に「脊髄に行っている血管も全部つながなくてはならない。半身不随覚悟であれば手術の可能性がある。しかし分が悪い」というような説明があったが、本当でしょうか?

回答

1)3型の大動脈解離で問題になるのは、破裂の危険です。大動脈の径が6cmをこえると、その危険が大きくなるので、手術治療を考える場合があります。5.7cmというと、ぎりぎりの限界ですので、再度安静のやり直しということになります。

2)胸部下行大動脈からは脊髄を栄養する脊髄動脈がでています。大動脈をグラフトに置き換えるとこの脊髄動脈が潰されて脊髄の栄養が障害され、四肢麻痺の症状がでることがあります。しかし、常にこれが起こるわけではなく、解離が起こって、時間が経っている場合には、脊髄動脈の周辺に側副血行ができてきて栄養が確保され、脊髄動脈がつぶれても大丈夫なようになっていることがあります。

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