疾患別解説

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バルサルバ洞動脈瘤の治療

75歳 男性
2005年6月 8日

大動脈バルサルバ洞の肺動脈側に動脈瘤(嚢状)ができ、破裂する危険性が大きい。また、その動脈瘤が肺動脈内に突出し、肺動脈の血流を妨害していると診断されました。
医師の話では、人工心肺を使用し、大動脈を開き、動脈瘤(嚢状)部にパッチを縫い合わせ、瘤口を閉鎖し、次に、肺動脈を開き、血流を妨害していた動脈瘤部を切除する手術を行うそうです。
高齢ですので、少しでも身体に負担の少ない治療法があるかどうか、お聞きしたいのです。また、ステントグラフト治療は可能でしょうか。

回答

お父様のバルサルバ洞動脈瘤についてお答えします。ご質問の少しでも体に負担の少ない治療法というのは、残念乍ら現在のところこの病気についてはございません。ステントグラフトによる治療は不可能です。治療方法としては手術をお受けになるしかないと思います。

75歳という年齢は確かに高齢者で、以前は手術療法は考えなかったかもしれません。しかし現在では手術の安全性が非常に高くなり、70歳未満の方に比べ若干手術の危険は増大しますが、高齢の故に手術適応にならないということは無いと思います。

ただ、バルサルバ洞動脈瘤が破裂する以前に発見されるのは非常に稀で、未破裂のバルサルバ洞動脈瘤をどの時点で手術するかというのは、非常に判断の難しいところです。したがって、これについては実際の詳しいデータを拝見しなければ如何とも申し上げようがありません。現在診ておられる医師が手術適応と言われるのであれば、これは破裂する可能性が非常に高いという判断によるものと思います。当然のことながら破裂しないうちに手術した方が良い状態で手術を受けることが出来る訳ですので、破裂の可能性が高いのであれば手術をお受けになるのが良いと思います。

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