疾患別解説

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下肢静脈瘤

50歳 女性
2004年5月 7日

50歳の母は、20年前に妊娠した時に下肢静脈瘤ができ、4年前に症状がかなりひどかったので血管を取り去る手術をしました。しかし、手術後も痛みが続くようで特に階段の登り降りが辛いようです。新しい血管が生えてくるとともに、また新たな静脈瘤がたくさんでき、血管が紫色になっています。普段は圧迫ストッキングをはいています。

下肢静脈瘤はワーファリンを飲むべきなのでしょうか。形成された血栓により脳塞栓が起きないか心配です。
血栓と瘤は違うのでしょうか。

回答

静脈は末梢に送られてきた血液を再び、心臓まで戻すという働きをしています。このために、静脈には弁という組織があって、心臓への方向に戻した血液を逆流させないように働いています。下肢静脈瘤というのは、このような静脈の弁が欠損していたり、弁の働きが悪くて、血液が心臓に戻らず、静脈に溜まって静脈を瘤状に押し広げた状態のことをいいます。これがつづくと、血液が血管の中で凝固して血栓性の静脈炎や皮膚炎のもととなります。こうした不都合を取り去るために、静脈の抜去手術が行われるのです。ワーファリン治療は通常は行いませんが、血栓形成傾向があるときには血栓を防止するために用いる場合はあります。また、深層の静脈と違って、皮膚の表に近いところにできる静脈血栓は飛ぶことがなく、深部静脈血栓症の場合のように、肺塞栓症の原因となることはありません。

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