疾患別解説

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胸部解離性動脈瘤と腹部大動脈瘤

83歳 男性
2003年8月 6日

数日前、背中の激痛を訴えたのでかかりつけの病院を受信しました。CTの結果、腹部に6cmほどの動脈瘤がみつかりました。
入院して、昨日の先生の説明によると、胸部にも解離性の動脈瘤があり、解離している部分が幸いにも血栓により塞がりつつあるようだ、とのこと。胸水が少したまっていることや、本人が痛みを訴えたことなどから、恐らくこの動脈瘤がさけたことが原因と考えられる。
腹部動脈瘤は5cm以上が手術対象だが、父の場合、胸部の動脈瘤もあり難しい。とりあえず、2週間後にCTをとり、血管の修復具合等が良ければ退院ということでした。

先生は、胸部の動脈が落ち着くまで、半年から1年は手術という問題は浮上しないとおっしゃっています。
父の年齢や体のことを考えるといたしかたないと思いますが、6cmの腹部の動脈瘤をかかえていることがわかった以上、退院してきた後どんな生活を送ればいいのか不安です。
担当の先生は血管に圧がかからないよう安静にして生活してもらうくらいで治療法はない、といいます。

ステントグラフトという手術法もあると本で読みましたが、手術全般および治療法等、他の選択肢があるのかどうか知りたくてメールさせていただきました。

回答

お父様の状態は大変治療方針の決定に難渋する状態だと思います。
腹部大動脈瘤が6cmであればたとえ83歳でも普通はすぐに手術という方針をとるべきです。ただしお父様には胸部に大動脈解離があるということが問題であるのはご承知のとおりです。

それでもお父様の一般状態が良くて胸部の大動脈解離が血栓で閉鎖したという状態が得られれば、腹部の手術を考えて良いと思います。また大動脈解離が血栓化しない場合には年齢も勘案して、できれば腹部大動脈瘤についてはステント治療を行いたいところです。

ステント治療はどこでも行なっているという訳ではありませんが、近年急速に発展していることでもありますので、お父様の状態が落ち着けば一度、それを行なっている専門施設に相談されるのも一つの方法であると思います。

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