疾患別解説

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高齢患者における生体弁か機械弁かの選択

77歳 女性
2005年2月17日

77歳の母について相談します。浮腫と息切れの症状から受診したところ、即日入院となりました。僧帽弁閉鎖不全症と診断され手術を勧められています。
まだカテーテル検査を終えたばかりで具体的な術式などは話し合っていません。インターネットで調べたところ弁置換術には機械弁と生体弁があるようですが、機械弁は術後の管理が厳しく、生体弁は弁の寿命が10年くらいと知りました。今回生体弁にした場合、10年後再度置換をするとなると、母は77歳と高齢のため手術に耐えられるか不安です。このような場合、どちらを選択するのがよいのでしょうか。

回答

お母様の病気である僧帽弁閉鎖不全に対する弁置換手術の場合の、弁の選択についてのご質問と存じます。
生体弁にした場合、10年後に再置換をするとなると77歳と高齢のために手術に耐えられないか心配とのことですが、一般的に言って70歳代というのは特別にその時体力が弱っておられるのでなければ心臓手術にはあまり障害にはなりません。したがって、そのことは無視してお考えになって良いと思います。
現在もお元気な方で、お母様のご両親も高齢まで元気に生活されたような方であったのなら、長期間使用に耐える機械弁が良いと思いますが、80歳も近くなると病院へ行くのも億劫になって薬の自己管理も十分出来なくなるような方であると思われるなら、生体弁の方が良いと思います。技術的にはどちらの場合も全く同じですので、これから先のお母様の生活態度、生活環境がどのようなものになられるかということに尽きると思います。これはむしろ医者には判断がし難く、ご家族あるいはご本人が判断なされるより他はないと思います。
なお、生体弁は10年と言いますが、現在既に10年以上経過している生体弁についてそのように言われているのであって、その後も弁はどんどん進歩していますので、現在使われている生体弁は10年よりももっと長持ちする可能性もあると思います。
このようなことをお考えになり、ご家族でご相談の上、お決めになるのが良いと思います。

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